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「オスマン帝国外伝~愛と欲望のハレム~」シーズン4

(C)Tims Productions

あらすじ

第1話 家族の集い

陰謀による失踪から不死鳥のごとくよみがえった皇帝妃ヒュッレム。我が子を玉座に就けるという決意を新たにする。スレイマン皇帝は皇子メフメトの死から立ち直れず自室に籠もる日々を過ごしていた。宮殿の勢力図も変化し、今や皇女ミフリマーフの夫リュステムが大宰相の座に就いている。そんな中、皇子たちが地方の赴任県から帝都へ召喚される。皇子たちが一堂に会したところでスレイマンから重要な決定が下されると思われていた。

第2話 後継者の器

末の皇子ジハンギルの帯刀の儀が執り行われ、皇子は極度の緊張に襲われながらも儀式の詠唱をやり遂げる。その夜、皇帝は皇子たちと食事会を開き、同席した大宰相リュステムは玉座の後継者候補からムスタファを引きずり下ろすべく、ムスタファに不利な話をする。ヒュッレムとマヒデブランは自分の息子がマニサの軍政官に指名されるように願っていた。そんな中、遠征で海軍提督フズルに捕らえた女奴隷たちが宮殿に連れてこられる。

第3話 玉座への道

4人の皇子たちはマニサの軍政官に誰が任命されるのかと落ち着かない日々を送っていた。バヤジトを推すミフリマーフと夫のリュステムは、決定が下されるまで注意して過ごすようバヤジトに釘を刺していた。ヒュッレムは、どの皇子を指名すべきだと思うかスレイマンに尋ねられる。緊張が高まる中ついに会議が招集されるが…。一方、宮殿に女奴隷として連れてこられたベネチアの貴族の娘チェチーリアが夜中に自害を試みる。

第4話 陰の守護者

玉座の県への赴任者がセリムに決まり皇帝妃ヒュッレムはバヤジトが父帝の決定を受け入れる姿を見て成長を感じていた。一方、傷心の第1皇子ムスタファは、そうそうにアマスヤへの帰路に就く。他の皇子たちもそれぞれの赴任県へ戻る日が近づき、皇子の後宮に入る側女が選ばれることに。野望を胸に秘めるチェチーリアは選ばれるために宦官長に近づくが…。狩りに出た皇帝と皇子たちだったが、またもセリムとバヤジトがいさかいを起こす。

第5話 光り輝く女

ある日の早朝、戸外で星を見上げて運命を占っていた側女チェチーリアは、星から重大なお告げを受ける。皇子たちと狩りに出ていた皇帝スレイマンは事あるごとに衝突を繰り返すセリムとバヤジトに業を煮やしていた。アマスヤでは、皇子ムスタファが暗殺を企てたとされる商人を問い詰め、真相の一端が明らかになる。トプカプ宮殿では皇子セリムがマニサへ出発する日が訪れ、皇子の後宮に入れなかったチェチーリアは強硬手段に出る。

第6話 ヒュッレムの憂い

周囲が病状を心配する中、ヒュッレムは真実を必死で隠そうとしていた。そんな中、スレイマン皇帝の妹ファトマ皇女が予定より早く宮殿に到着する。皇女は、ある若くて美しい娘を同伴させていた。アマスヤでは皇子ムスタファが内部の反逆者を見つけ出そうと躍起になる中、意外な訪問者が現れる。一方、皇子セリムは赴任が決まったマニサに到着。セリムの後宮にはヒュッレムから新たにヌールバーヌーという名をもらったチェチーリアがいた。

第7話 ムスタファの策略

皇妹ファトマが宴を開き、久しぶりに後宮が活気づいていた。だが、そんな宴の席でファトマはヒュッレムの心の傷をえぐるような暴露をする。一方、皇帝スレイマンは、ほぼ毎夜、同じ夢を見ることを気に病み、軍法官エブッスード師に相談をしていた。マニサでは赴任したばかりのセリムがお忍びで市場を視察。商人から自分の悪い評判を聞いてショックを受ける。アマスヤではムスタファが内部の反逆者を特定するため、敵をワナにかける。

第8話 誇り高き者の選択

マニサの市場で自分の悪い評判を聞いた皇子セリムは心が荒れていた。どうしても夜伽を務めたい側女ヌールバーヌーはセリムの寝所に入り込む。一方、トプカプ宮殿ではヒュッレムが身も心も引き裂くようなつらい選択をしていた。だが、その事実を知ったファトマは好機を逃さず、ヒュッレムにさらなる打撃を与えようともくろむ。そんな中、大宰相リュステムのもとにアマスヤの間諜からムスタファ皇子の計画を知らせる書簡が届く。

第9話 皇子の苦悩

自分の命が狙われていると知らされたリュステムは落ち着かない日々を過ごしていた。マニサではセリムが落ち込んでいる原因を突き止めたヌールバーヌーが何とかセリムを元気づけようとする。一方、ヒュッレムがスレイマンの寝所へ側女を送ったことを知ったファトマは、より確実な方法でヒュッレムを追い詰めようと画策。そんな中、スレイマンとバヤジトの仲を取り持とうと努めるヒュッレムの元にスンビュルからある知らせが入る。

第10話 皇女の追撃

ヒュッレムの怒りを買ったバヤジトは、予定を早めて赴任県へ戻ってしまう。アマスヤでは海軍提督の娘ミフリュニーサのムスタファに対する思いにマヒデブランが気づき始めていた。一方、歩兵常備軍のアリ長官の招きで兵舎を訪れたリュステムは、宴は自分を殺すための罠だと思い込んでいたため冷静さを失う。さらに、久しぶりに2人きりで食事を楽しんでいたスレイマンとヒュッレムの元にファトマが衝撃の事実を知らせにくる。

第11話 愛の鎧(よろい)

皇女ミフリマーフは宮殿で側女たちに揚げ菓子が振る舞われているのを見て驚きの事実を知る。赴任地キュタフヤに到着した皇子バヤジトはフーリジハンのことを思っていた。歩兵常備軍との宴席で抜刀騒ぎを起こしたリュステムに皇帝の沙汰が下る。マニサでは市場での皇子セリムの騒動で側女ヌールバーヌーたちが対応に苦慮していた。アマスヤではミフリュニーサに縁談話が持ち上がる。そんな中、ミフリマーフの体調に異変が…。

第12話 心の命

ミフリマーフの体調は幸い大事に至らずスレイマンとヒュッレムは安堵する。心配してヘルツェゴビナへの出立を遅らせていたリュステムは、捕まえた歩兵常備軍の兵士から自分を陥れた黒幕が誰なのかを聞き出す。一方、ファトマが離縁した本当の理由を知ったヒュッレムは、アンタキヤからファトマの元夫を呼び出し、ファトマが宮殿へ来た真の目的を知る。夜、ミフマリーフの回復祝いの席にファトマの元夫ムスタファが現れ…。

第13話 海軍提督の窮地

海軍提督の娘ミフリュニーサの身に危険が迫る。マニサでは側女ヌールバーヌーが地下牢に入れられていた。トプカプ宮殿では皇帝スレイマンが皇子ムスタファが帝都に攻め入る夢を見る。リュステムはヘルツェゴビナへ出立。皇女ファトマは招かざる元夫ムスタファが帝都に現れたことに腹を立てる。宦官長スンビュルは後宮でまさかの再会をする。皇子セリムは訴訟騒動に終止符を打つべく寡婦と会う。海軍提督フズルは窮地に立たされる。

第14話 スンビュルの恋

娘を拉致された海軍提督は、依然見つからない娘のため意を決してスレイマンのもとへ出向く。ヒュッレムはスレイマンの子供を身ごもった側女を排除したいと考えていたが、子供を心待ちにするスレイマンを見て迷いが生じてくる。一方兄セリムの失態を探るため、バヤジトは赴任県を離れひそかにマニサに来ていた。ヒュッレムの指示を受け翌朝の市場へ出向くはずだったスンビュルは、伝言をもらった行商人の女性のもとを訪れる。

第15話 仕組まれた疑念

マニサの地下牢で意識を失っていたヌールバーヌーは驚きの事実を知る。トプカプ宮殿でヒュッレムから密命を受けた門衛長ソコルル・メフメトは、イスラムの長老を辞任に追い込むための証拠を探していた。ムスタファの一行は拉致されたミフリュニーサの行方を懸命に追跡する。だがその後、責任感の強いムスタファは自身の行動があだとなりスレイマンに深い疑念を抱かせてしまう。ヒュッレムは占いの結果に強い危機感を覚えていた。

第16話 戒め

兄セリムの不誠実な行いに納得がいかないバヤジトは、この事実をスレイマンも知るべきだと考えていた。ムスタファはスレイマンから呼び出され、兵舎で起きたリュステムとアリ長官の事件についてスレイマンが下した決断を知らされる。スレイマンの子を身ごもった側女の出産が近づく中、ファトマ皇女の婚礼が執り行われ、ファトマが帝都から去る日が近づいていた。一方マニサではセリムの子を妊娠したヌールバーヌーが後宮で騒動を起こす。

第17話 皇子たちの恋

海軍提督の娘ミフリュニーサに思いを募らせる皇子ムスタファは気持ちを率直に伝える。トプカプ宮殿では婚礼を終えたファトマ皇女が夫との夜を迎えていた。一方、マニサからヒュッレムのもとにヌールバーヌー懐妊の朗報が届く。皇子ジハンギルはフーリジハンとキュタフヤにいる兄バヤジトを訪ねる。皇帝はマトラークチュに密命を下す。そんな中、ついに皇帝の側女ナーゼニンが産気づき…。アマスヤへ戻ったムスタファのもとに意外な人物が現れる。

第18話 秘密の関係

皇帝の側女ナーゼニンが無事に出産を終えた。フーリジハンとキュタフヤにいる兄バヤジトを訪れたジハンギルは、元気がなく部屋に籠もりきりだった。皇子たちの赴任県を見て回ったマトラークチュが戻り、スレイマンに各皇子たちの報告をするが、セリムに関する報告を聞いたスレイマンは激しく動揺する。マトラークチュの土産の蜂蜜を病気療養中の海軍提督に渡すようスレイマンから頼まれたリュステムは、ソコルルに蜂蜜を届けさせる。

第19話 禁断の愛

アマスヤで皇帝妃マヒデブランは海軍提督の娘ミフリュニーサと皇子ムスタファが深い仲になることを懸念していた。帝都では皇女ファトマの言動がきっかけとなり皇女ミフリマーフとリュステムの夫婦関係に微妙な亀裂が入る。一方、健康を回復した海軍提督フズルが御前会議に出席。訴訟問題が再燃した皇子セリムは部屋に引きこもっていた。フーリジハンに思いを募らせる皇子バヤジトは掟破りの行動に出るが、その行為が重大な事態を招くことになる。

第20話 皇帝の孤独

バヤジトが許可なく帝都へ来たことに憤慨したスレイマンの怒りを何とか鎮めようとしたフーリジハンは亡き父イブラヒムの日記帳を持ってスレイマンに会いにいく。会議中に倒れたフズル海軍提督の容体は悪化する一方で、回復の兆しは見えずにいた。そんな中、スレイマンはマトラークチュを呼び出し、皇子たちをかばうため自分にウソをついたことを責める。長年の友たちとの関係の変化を嘆くスレイマンのもとに、さらに悲しい知らせが届く。

第21話 謀略の海図

海軍提督フズルが天に召され、皇帝妃ヒュッレムと大宰相リュステムは、さっそく海軍提督の後任者探しに着手。海軍を支配下に置きたいヒュッレムはまたもや策を巡らせる。一方、皇帝妃マヒデブランは、ヒュッレムたちの動きに危機感を募らせていた。後宮宦官長スンビュルは行商人ジェヴヘルに酒を勧められ、ほろ酔い気分で口を滑らせる。皇女ミフリマーフは不仲のセリムとバヤジトを見かね、屋敷に兄弟たちだけを招いて食事会を催す。

第22話 深まる亀裂

ミフリマーフの屋敷で食事会が開かれ、久しぶりに兄弟全員が一同に会したものの不仲のセリムとバヤジトの距離は縮まる気配がなかった。自分に対する激しい嫉妬から兄弟全員に責められていると感じたセリムはヒュッレムの忠告も聞かずスレイマンに会いに行く。一方、伝令アトマジャはムスタファを守るために命じられた任務を遂行すべきか迷っていた。そんな中、皇女ファトマのもとへヒュッレムに関する耳寄りな情報が入る。

第23話 ヒュッレムの秘密

皇帝妃ヒュッレムは皇子バヤジトが腹違いの兄ムスタファを慕うことに危機感を覚えていた。ヒュッレムの秘密を握った皇女ファトマは大宰相リュステムに会い、不安をあおる言葉で揺さぶりをかける。マニサではセリムが他の女人と過ごしていることを知った側女ヌールバーヌーが皇子の部屋に押しかけるが、その勢いで産気づき…。トプカプ宮殿では、ヒュッレムの秘密を暴き、引導を渡すべくファトマとムスタファの計画が進められていた。

第24話 最大の裏切り

ヒュッレムの秘密の部屋の存在が明るみに出てスレイマンは憤慨する。秘密が漏れた原因がスンビュルの軽率な行動によるものと知ったヒュッレムは罰としてスンビュルに残酷な命令を下す。さらにヒュッレムとリュステムはムスタファに次なる一手を講じるべく新たな計略に乗り出す。一方のファトマやムスタファは今回ばかりはヒュッレムも許されないだろうと勢いづく。そんなムスタファのもとに来客があるとのことでムスタファは自ら出迎えに行く。

第25話 不肖の息子

キュタフヤのバヤジトのもとに長兄ムスタファから書簡が届く。ムスタファは至急アマスヤへ来てほしいとバヤジトに要請する。一方、トプカプ宮殿ではヒュッレムの裏切り行為を許すことのできない皇帝スレイマンが皇帝妃ナーゼニンを連れ、セリムの子供の誕生を祝うためマニサへ。リュステムのもとには計略のためにアマスヤの名士に送った書簡の返事が届き始める。ヒュッレムの残酷な命令を実行した宦官長スンビュルは生気を失っていた。

第26話 将来の皇帝

兄ムスタファの赴任県アマスヤを内密に訪れたバヤジトは、ある人物との再会を果たす。マニサではセリムの息子の命名式が行われる。マニサ到着時に酒に酔ったセリムを目撃したスレイマンは、息子を許せずにいた。ヌールバーヌーは、スレイマンと共にマニサに来ていたナーゼニンを殺すようヒュッレムから命じられていた。さらにマニサにいるスレイマンのもとに、リュステムがムスタファに関するアマスヤの名士たちからの返信を持って現れる。

第27話 長衣(カフタン)の贈り物

マニサから帝都に戻った大宰相リュステムは皇帝妃ヒュッレムにスレイマンがアマスヤの名士たちからの返信を読んだあと、激怒し、押し黙ってしまったことを報告。ヒュッレムは秘密の部屋の件でいまだ自分の顔も見てくれないスレイマンに手紙をしたため許しを請う。スレイマンは皇子ムスタファのために豪華な長衣を作らせる。その後、長衣はアマスヤのムスタファのもとへ運ばれるが、その長衣が誤解を呼び、前代未聞の事態を招いてしまう。

第28話 ムスタファの反乱

兵士を引き連れ帝都に進軍するムスタファの前に歩兵常備軍長官が現れ、このまま帝都に入ればスレイマンは処刑も辞さない気だと伝える。不穏な空気の宮殿ではジハンギルとミフリマーフがスレイマンに会うことも許されず、うろたえていた。ジハンギルの手紙をムスタファに届ける道中でリュステムの従者に捕らえられたアトマジャは真の主を吐けと執拗な拷問を受けていた。一方キュタフヤでは急なヒュッレムの来訪にバヤジトが慌てていた。

第29話 隠蔽工作

皇子ムスタファへ贈られた長衣に毒が塗られていた件で事態を重く見たスレイマンは海軍提督ソコルル・メフメトに極秘調査を命じる。皇子ジハンギルは、母親ヒュッレムと兄ムスタファの間で板挟みになり、皇帝スレイマンの前で長衣の件に関する証言を躊躇する。一方、イランからタフマースブ王の弟アルカスがオスマン帝国に亡命する。玉座を目指して再び兄タフマースブに挑みたいと言うアルカスに大宰相リュステムは言葉巧みに近づくのだった。

第30話 父子の誓い

スレイマンとムスタファは和解し、親子で殺し合うようなことは決してしないと互いに誓い合う。そんな中追放されていたはずのヒュッレムが宮殿に現れ、スレイマンは動揺する。ムスタファは行方不明だったアトマジャを無事に見つけ救い出すが、リュステムに告げられたことが頭から離れずにいた。ミフリマーフとリュステムはヒュッレムの指示でアルカス王子を食事に招く。マニサではヌールバーヌーが狩りに行ったはずのセリムを尾行していた。

第31話 新たな遠征

皇帝スレイマンは地図を広げ、新たな遠征について思案していた。ハンガリー遠征を行うべきか、イランのアルカス王子が帝国に亡命したことを好機と見て、タフマースブ王を討つべきか。スレイマンは議会を招集し、宰相や皇子らの意見を聞く。一方、キュタフヤでは師父ムスタファがフーリジハンを退去させようとするが、フーリジハンは師父に、ある取引をもちかける。父帝スレイマンと和解し、アマスヤヘ戻ったムスタファには吉報が待っていた。

第32話 ミフリマーフの決意

ミフリマーフが謎の人物から手紙を受け取ったことが発端でリュステムとミフマリーフは口論となり大問題に発展する。イラン遠征を決めたスレイマンは、オーストリアと5年間の休戦条約を結ぶ。さらにスレイマンはキュタフヤにいるバヤジトの師父からの書簡で皇子ムスタファに関する驚愕の事実を知らされ、落胆と共に激しく動揺する。一方マニサではそうとは知らずに人妻と関係を持ったセリムのもとに夫が会いに来ていた。

第33話 皇帝代理の座

大宰相リュステムは従者マフムードにミフリマーフに届いた恋文の差出人を探るよう命じる。皇帝スレイマンは皇子ムスタファに再び裏切られたという思いで怒りの手紙を送る。一方、自由人となった元後宮宦官長スンビュルは街で商売を始めようとしていた。そんな中、ヒュッレムが突然、スンビュルを訪ねる。マニサでは、再びエフタリアの夫ディミトリがセリムのもとへ現れ、金を無心する。皇女ファトマはミフリマーフの離婚問題についてスレイマンに話す。

第34話 皇女の恋

離縁の件はよく考えるようミフリマーフに伝えたスレイマンだったが、思い悩むミフリマーフを見て心を痛めていた。遠征中の皇帝代理に任命されたセリムは帝都へ向かう準備を進めていたが、金を無心するエフタリアの夫ディミトリのことが気になり落ち着かない。キュタフヤでムスタファからの手紙を受け取ったバヤジトは、手紙の内容に激しく動揺する。一方リュステムはミフリマーフに手紙を送った差出人をようやく突き止める。

第35話 籠の鳥

皇女ファトマはイランの王子アルカスの求愛に応え密会を重ねる。自室で意識を失い倒れた皇帝スレイマンが目を覚まし、体調不良を他言しないようアフィフェらに命じる。皇帝代理に任命された皇子セリムがヌールバーヌーと共にトプカプ宮殿へ到着。アマスヤでは皇子ムスタファのもとに怪しい使者が訪ねてくる。セリムとの口論で傷ついたジハンギルはスレイマンに遠征への参加を請う。ミフリマーフは皇女ファトマへの報復の機会を伺っていた。

第36話 リュステムの計略

ミフリマーフの計略でイランの王子アルカスとの密会が暴露されかけたファトマはリュステムの機転で何とか危機を逃れる。ファトマを許せないミフリマーフは計略を阻まれて面白くない。ヒュッレムは宮殿へ来たスンビュルの助言で、遠征に行くと言って聞かないジハンギルの気をそらせようとある試みをする。遠征を直前に控え、スレイマンの体調不良は相変わらず続いていたがスレイマンはかたくなに周囲に知られることを拒んでいた。

第37話 父親の愛情

叔母ファトマを許せないミフリマーフは次の手を打つ。皇子ムスタファは父帝スレイマンに許しを請うべく遠征の野営地へ赴く。バヤジトもフーリジハンとの結婚をスレイマンに隠していることに罪悪感を覚えていた。一方、トプカプ宮殿では皇帝代理を任された皇子セリムがヒュッレムに取り入ろうと奮闘する。そんな折、ポーランド王の娘アンナ・ヤゲロニカから帝都を訪問したいという書簡が届く。野営地ではスレイマンに命の危機が迫っていた。

第38話 ポーランドの王女

スレイマンは間一髪で危機を逃れる。遠征の野営地で久しぶりにゆっくり顔を合わせたムスタファ、バヤジト、ジハンギルの3人の皇子は互いに対する信頼をさらに強固にする。一方イスタンブールではではポーランドの王女アンナ・ヤゲロニカを宮殿に迎えていた。祖国の王女が支援を請う姿にヒュッレムは人生の不思議を感じる。セリムはヌールバーヌーの助言に従い、ひたすらヒュッレムを立てていた。そんな中、アフィフェに野営地から手紙が届く。

第39話 凶夢

イラン遠征中のオスマン軍はタブリーズに迫る。だがタフマースブ王の弟アルカス王子が約束を果たさず、皇帝スレイマンはイラだちを隠せない。トプカプ宮殿では、皇帝妃ヒュッレムがスンビュルの店のコーヒーをポーランド王女に振る舞う。スンビュルはヒュッレムに自分が見た不吉な夢の話をする。皇帝の後継者に皇子ムスタファを推す海軍司令官ピーリーは、ヤヴズに新たな指令を課す。ヒュッレムは早世した皇子メフメトの命日に霊廟を参拝する。

第40話 皇帝の病(やまい)

体調不良が続いていたスレイマンは遠征先の野営地で倒れてしまい、結局バヤジトたちと共に帝都に帰還する。かたくなに病気のことを隠そうとするスレイマンだったがアフィフェから事情を聞いていたヒュッレムは心配でならない。周囲も皇帝の明らかな異変に気づき始めていた。一方ファトマは帰還した一行の中に婚約者のアルカス王子の姿がないことに気づく。そんな中、アマスヤにいるムスタファのもとに帝都から訪問者が来る。

第41話 玉座の駆け引き

帝都ではスレイマン皇帝の健康不安についてウワサが広まっていた。市場でコーヒー店を営む元後宮宦官長スンビュルもじっとしていられず宮殿のヒュッレム妃のもとを訪れる。一方、スレイマンの重篤な症状を受け、御代替わりを見据えて歩兵常備軍と海軍が水面下で動き出す。皇帝妃ヒュッレムはリュステムに後継者候補をバヤジトではなくセリムに決めたと告げる。そんな中、スレイマン皇帝がうわごとで最年長の皇子ムスタファの名前を呼ぶ。

第42話 恐怖との対峙(たいじ)

意識を取り戻したスレイマンは帝都でのウワサを一掃させようと完成したばかりの亡きメフメト皇子のモスクで金曜礼拝を行うと発表する。しかしスレイマンの病状は一進一退が続いていた。リュステムはこのままでは反乱が起こりかねないと、セリムに歩兵常備軍と直接話すよう進言。ヌールバーヌーが必死で止めるのも聞かずセリムは歩兵常備軍の兵舎へと向かう。知らせを受け心配するヒュッレムの前にスレイマンに会いに来たムスタファが現れ…。

第43話 暗闇にさす光

歩兵常備軍の兵舎からムスタファに連れられセリムが無事に宮殿へ戻る。セリムは軍団がムスタファに絶大な敬愛を寄せる姿を目の当たりにし、自分の行く末を案じていた。皇女ミフリマーフは次期皇帝と目されるムスタファに対して敵意をむき出しにする。皇帝妃マヒデブランは意識の戻らないスレイマンにこれまでの恨みつらみをぶつける。一方、リュステムの前に思わぬ訪問者が現れる。そんな中、意識の戻らないスレイマンの容体に変化が…。

第44話 ミフリマーフの加担

スレイマンは長い眠りから目覚め完全に回復した。歩兵常備軍や民のムスタファに対する絶大な敬愛を肌で感じたヒュッレム、リュステム、ミフリマーフたちは安堵すると共に将来への不安を募らせていく。スレイマンは回復したことを世に示すため亡きメフメトのモスクでの金曜礼拝に参加。その後セリムと騒動を起こした歩兵常備軍の兵舎へ向かう。時が経ち、皇子たちがそれぞれの赴任地で平和に暮らす中、ミフリマーフがスレイマンにあることを願い出る。

第45話 むしばまれる木

皇帝妃ヒュッレムと大宰相リュステムは皇子ムスタファを葬り去る新たな計略を着々と進めていた。皇子ジハンギルは、計略の空気を敏感に感じ取り、皇女ミフリマーフをけん制する。一方、占星術を行っていた首席占星学者の計算により、近く太陽が隠れ、昼が突然、暗闇に包まれるという結果が導き出される。皇帝スレイマンは臣下の動揺を防ぐため、この結果を口外しないように言う。そんな中、遠征に出たリュステムの野営地で兵士が死体で発見される。

第46話 心の猛獣

兵士が殺されたことで陣営での立場が危うくなったリュステムは、スレイマンに書簡を送り反乱の危機を訴える。帝都からの情報源がジハンギルのみとなったムスタファは様子を調べさせるためアトマジャを帝都へ行かせる。アトマジャが帝都に到着するとムスタファを支援しているはずのピーリーの姿が消えていた。アマスヤではムスタファが息子のメフメトを連れて狩りへ行く。そんな中スレイマンのもとにソコルルがある書簡を持って現れる。

第47話 ワナに落ちた皇子

アマスヤではムスタファ皇子が幼い息子メフメトを連れて狩りに出ていた。トプカプ宮殿では皇帝スレイマンがイランの王タフマースブが皇子ムスタファに宛てた返書を読み、息子の裏切り行為に顔色を変える。その後、苦悩するスレイマンは口数も減り、1人で過ごすことが多くなっていく。そんな中、天に異変が起こり、太陽が欠け始める。皆は不安げに天を仰ぐのだった。その後、アマスヤのムスタファのもとにスレイマンから参上命令が届く。

第48話 瞳の中に見えるもの

ムスタファの潔白を信じるジハンギルとバヤジトはスレイマンに兄の無実を訴えにいく。結局ジハンギルは遠征に参加することを決め、バヤジトは皇帝代理として宮殿に残ることに。一方マニサにいるセリムは遠征に参加するよう命じられていた。周囲が必死で止めるのも聞かずスレイマンを頑なに信じ参上命令に従おうとするムスタファを守ろうと、アトマジャは一足先に陣営へと向かう。非常事態を警戒するリュステムは陣営での警備を強化していた。

第49話 皇帝の死に神

トプカプ宮殿では皇帝スレイマンがコンヤの陣営へ出発。見送りに立つ皇帝妃ヒュッレムはスレイマンのただならぬ様子を感じ取っていた。一方、皇子ムスタファもコンヤへ発つ日が訪れ、皇帝妃マヒデブランや妻ミフリュニーサらは皇子の無事を祈りながら見送る。コンヤの陣営ではアトマジャが歩兵常備軍の隊長たちを集め、反乱の段取りを確認していた。そんな中、コンヤの陣営から少し離れた場所に天幕を張ったムスタファのもとに謎の矢文が届く。

第50話 息子よ

スレイマンと共に陣営に到着していたジハンギルはムスタファのもとをこっそり訪れる。同じ頃セリムはスレイマンに呼び出され明日はジハンギルと狩りに行くようにと命じられる。翌日ムスタファはスレイマン宛ての手紙を胸に携えスレイマンの待つ陣営へ。すると道中に歩兵常備軍の一部の兵士たちが道を塞いでムスタファを待っていた。一方ムスタファを見送ったタシュルジャルは味方の兵士たちと共にアトマジャの反乱開始の合図を待っていた。

第51話 遺書

ムスタファの息子メフメトは、師父から皇帝の命令は絶対だと教えられ、メフメトは「皇帝が命を取ろうとしても従うのか」と問う。コンヤの陣営では、皇子ムスタファが皇帝スレイマンの天幕で処刑人たちにくびり殺されていた。スレイマンはムスタファの遺体を抱き、慟哭する。歩兵常備軍は大宰相リュステムの計略でムスタファが処刑になったのだと主張し、怒りの矛先がリュステムへ向かう。ムスタファの訃報に接したマヒデブランたちは悲しみに暮れる。

第52話 慟哭(どうこく)

罷免され帝都に逃げ帰ったリュステムによりムスタファの処刑が知らされ、宮殿中に大きな衝撃が走る。ファトマとギュルフェムがヒュッレムとリュステムを激しく責めるのを見たバヤジトはヒュッレムに対し怒りを覚える。さらにムスタファを慕う多くの民も処刑に動揺していた。一方悲嘆に暮れるマヒデブランたちはアマスヤを離れムスタファの遺体があるブルサへ向かう。兄に最後の別れをしようとバヤジトもブルサの葬儀へ向かうと言い張る。

第53話 真の悲劇の始まり

帝都イスタンブールでムスタファの処刑に憤慨する民衆が暴動を起こす。皇子ムスタファが埋葬されたブルサに皇帝の使者が訪れ、皇帝妃マヒデブランらに帝都のそばの屋敷に移るよう勅命を伝えるが、その裏にはある目的が隠されていた。コンヤの陣営ではムスタファの処刑に衝撃を受けた末の皇子ジハンギルが食事を拒絶し衰弱していた。リュステムの一家は暴徒から逃れユスキュダル宮殿に身を隠す。だが宮殿の様子をうかがう黒い人影があった。

第54話 背に翼をもつ皇子

コンヤの陣営では衰弱したジハンギルが体の痛みに苦しんでいた。見かねたスレイマンは医師が薦めた薬の服用を渋々許可する。スレイマン自身もまた、睡眠不足で体に不調が出ていた。一方、帝都ではリュステムがユスキュダル宮殿に身を隠しているのを突き止めたアトマジャたちがムスタファの無念を晴らそうとリュステム殺害の計画を立てる。ある晩、暴徒がユスキュダル宮殿に押し寄せリュステムやミフリマーフを取り囲むが…。

第55話 魂の解放

トプカプ宮殿に押し寄せた民衆は「リュステムを渡せ!」と口々に叫んでいた。事態を収拾するため、皇帝代理を務める皇子バヤジトが毅然とした態度で民衆の前に立つ。コンヤの陣営ではジハンギルが驚異的な回復を見せ、皇帝スレイマンを散策に誘う。皇子ムスタファの死後52日の祈りの儀式に皇帝妃ヒュッレムと皇女ミフリマーフが姿を現すが皇女ファトマと皇帝妃ギュルフェムは、よく顔が出せるものだと2人を責める。一方、ジハンギルの容体は急激に悪化し…。

第56話 罪の代償

リュステムはアトマジャたちに捕らえられた弟シナンを救出しに行こうとするがミフリマーフに止められる。一方ジハンギルのもとへ急ぐヒュッレムとバヤジトの前にセリムが棺と共に現れる。末の息子ジハンギルの死でヒュッレムは大きく打ちのめされる。息子2人をほぼ同時に失ったスレイマンもまた深く苦しんでいた。ムスタファとジハンギルの死去により残された皇子はセリムとバヤジトの2人となり、2人の対立がますます深まっていく。

第57話 挽歌

前大宰相リュステムは宮殿から自分の命令には従うなというお達しが出たことに激怒しソコルルを怒鳴りつける。皇子バヤジトの極秘結婚を知ったヌールバーヌーはよからぬことを考えていた。皇女ミフリマーフは失意の日々を過ごす皇帝妃ヒュッレムに残された子供たちのために立ち直ってほしいと訴える。皇帝スレイマンはアマスヤを訪ね、皇子ムスタファの側近タシュルジャルが作った挽歌を読む。そんな中、ルメリ州に偽ムスタファが現れ…。

第58話 計略の代償

ヌールバーヌーの計略で宮殿にフーリジハンが現れバヤジトやヒュッレムは困惑する。何とか隠し通そうとするヒュッレムたちの様子にヌールバーヌーはいらだちを覚える。ミフリュニーサが自害し1人宮殿に残っていたマヒデブランは自分以上の苦しみを味わうよう呪い続けてやると叫びながらヒュッレムに襲いかかる。一方リュステムはスレイマンの命令で宮殿から追い出されることに。その背後には亡きムスタファのため報復に燃えるアトマジャがいた。

第59話 迫られる選択

皇子バヤジトとフーリジハンの極秘結婚の暴露を巡って、対立が深まるバヤジトとセリム。ついには皇帝妃ヒュッレムの前でつかみ合いのケンカに。皇帝代理のバヤジトはセリムに宮殿から出ていくよう命じる。一方、ヒュッレムは極秘結婚を暴露した黒幕としてヌールバーヌーを呼び、きついお灸を据えていた。皇帝スレイマンは傷心を抱えたままアマスヤで過ごしていたが、帝都を離れて2年がたち、帰還を決心する。バヤジトは亡きムスタファの腹心と密会する。

第60話 癒えない傷

2年の月日を経てスレイマンがようやく帝都に帰還する。ヒュッレムはバヤジトの極秘結婚の話を決してスレイマンに暴露しないようセリムに釘を刺す。亡きムスタファの腹心アトマジャはバヤジトに仕える決心をし、バヤジトと共に反乱鎮圧に乗り出す。弟バヤジトとの対立を決心したセリムは、アフメトやソコルルと共に弟を陥れるための計画を着実に進めていた。ミフリマーフは追放された夫リュステムの復帰を懇願しようとスレイマンに会いに行く。

第61話 皇太子宣下

偽ムスタファの乱の鎮圧に無用な流血を望まない皇子バヤジトだったが、宰相ソコルルの軍隊の介入を受ける。皇子セリムの支持者である大宰相アフメトは皇帝スレイマンにバヤジトを貶める報告をし、激怒したスレイマンはバヤジトに帰還命令を下す。見かねた皇帝妃ヒュッレムは事態の成り行きに危機感を抱き、リュステムにバヤジトを帝都へ連れて帰るよう命じる。帝都へ戻ったバヤジトはスレイマンと会食をするが、父帝の逆鱗に触れてしまう。

第62話 母の苦悩

皇太子にセリムが指名されたことで落ち込むバヤジトを前にヒュッレムは2人の母として複雑な気持ちを抱いていた。そんな中リュステムからバヤジトはワナを仕掛けられ、背後にはセリムがいると言われ動揺したヒュッレムはセリムに問いただしにいく。一方のセリムはヒュッレムに疑われたことで大宰相アフメトに用心するよう釘を刺す。ヒュッレムを苦しめたいファトマは2人の皇子だけでなく皇子の妃たちも対立するよう仕向けるのだった。

第63話 黒の礼服(ヒラット)

リュステムは財務長官の部屋で皇子バヤジトが計略に陥れられたことを証明する証拠を探していた。一方、皇帝スレイマンのもとにはエジプトから税金の増額で困窮しているという苦情が殺到する。皇帝妃ヒュッレムはセリムとバヤジトの兄弟間の対立に心を痛め、皇帝の私室に双方の家族を呼び、団らんの時間を作る。だが、ヌールバーヌーとフーリジハンが火花を散らすことに…。その後、リュステムの執念の調査により、真実が公になる。

第64話 皇子妃のいさかい

不正が明らかとなったアフメトが処刑されリュステムが再び大宰相に返り咲く。指示どおりリュステムがセリムを守ったことで、ミフリマーフはヒュッレムにバヤジトへの支持を表明するよう迫る。夫の処刑で傷心のファトマをよそに後宮ではセリムの息子ムラトの割礼を祝う宴が続いていた。途中姿を消したヌールバーヌーを不審に思ったフーリジハンは、こっそり尾行する。一方ブルサのマヒデブランのもとに帝都から送られた伝令が勅命を通達しに来る。

第65話 蛇の切り札

フーリジハンに傷を負わせた犯人は現場に耳飾りの片方を落としていた。後宮出納官ファーリエは皇帝の命令により皇子妃ヌールバーヌーの部屋を捜索する。 皇子バヤジトは祈るような気持ちで死の淵をさまようフーリジハンに付き添っていた。ヒュッレムは犯人を捜すべく独自に耳飾りの持ち主を調べる。一方、マヒデブラン妃たちが身を寄せるブルサにアトマジャが現れる。ユスフは、生きていながら何の音沙汰もなかったアトマジャを責める。

第66話 皇帝の疑心

皇子2人が赴任県へ戻る日が近づいていた。バヤジトの支援を決断したヒュッレムは2人の赴任先に、それぞれ信頼のおける者たちを帝都から送り込む。さらにヒュッレムは傷心のバヤジトに立ち直ってもらおうと自ら選んだ数人の側女もキュタフヤに送る。皇子たちが帝都を離れ、スレイマンとヒュッレムは2人きりになった。久しぶりに変装して外出したスレイマンはコーヒー店でムスタファの処刑に関するウワサを耳にして激しく動揺する。

第67話 獅子の性(さが)

スレイマンに呼び出された皇帝妃ヒュッレムは、亡き皇子ムスタファについての思いがけない問いかけをされ、戸惑っていた。一方、マニサで命を狙われた皇子妃ヌールバーヌーは、暗殺未遂事件の裏にヒュッレムがお目付け役として送り込んだファーリエがいるのではないかと疑う。キュタフヤでは側女デフネが傷心のバヤジトに思わせぶりな手紙を書き残す。そんな中、皇女ミフリマーフが謎の病に。宰相ソコルルは、ある腕利きの医師の診察を勧める。

第68話 占い

謎の病にかかったミフリマーフを心配したヒュッレムは占い師のもとへお忍びで出向く。占い師のハジェルはミフリマーフの病気の件以外に残った皇子2人の行く末についても言及する。一方マニサではセリムが名高い資産家で商人のヨセフ・ナスィに会い親交を深めていく。さらにヌールバーヌーを慕う侍従ガザンフェルはヌールバーヌーに大きな決断を迫られていた。キュタフヤでは傷心のバヤジトがしだいに側女デフネに心を開き始める。

第69話 終末の悪夢

皇子バヤジトのもとに帝都からキュタフヤへ金を運んでいた部隊が襲撃されたという一報が入る。トプカプ宮殿では、民をあおり皇帝妃ヒュッレムを襲わせようとした人物が判明する。ジハンギルを亡くしてから安眠できないヒュッレムは、さらに不吉な夢を見る。いまだ皮膚の炎症が治まらない皇女ミフリマーフは再びスペイン人医師の診察を受けることに。皇子ムスタファを処刑し、心に闇を抱える皇帝はヒュッレムに何も告げずエディルネへ向かう。

第70話 埋まらぬ溝

ミフリマーフが快方に向かっているのを確認したヒュッレムは何も告げずにエディルネへ行ってしまったスレイマンを心配して自らもエディルネへ向かう。到着してみるとスレイマンは1人寂しく過ごしてはいなかった。アマスヤではバヤジトから衛兵の生首を送りつけられたセリムが死の恐怖に怯えていた。そんなセリムの目を覚まさせようとヌールバーヌーはある画策をする。一方快方に向かっていたはずのミフリマーフだったが別の箇所に炎症が出始める。

第71話 忍び寄る死の影

皇帝スレイマンは女大商人グラツィア・メンデスを帝国に手厚く迎える準備を整えていた。一方、キュタフヤでは皇子妃ヌールバーヌーの使いが側女デフネに皇子バヤジトの暗殺命令を伝える。バヤジトを殺す話など聞いていないと激しく抵抗するデフネだったが…。師父ムスタファの書簡がエディルネにいる皇帝妃ヒュッレムのもとへ届き、危機感を募らせたヒュッレムは急ぎマニサヘ向かう。だが、道中、馬車の中でヒュッレムが体の異変を訴える。

第72話 ヒュッレムの病(やまい)

武装したバヤジトが兵と共にアマスヤに現れ、セリムとヌールバーヌーは動揺する。同じ頃、ヒュッレムは体の不調を抱えつつもアマスヤへと急いでいた。師父ムスタファが説得を試みるもバヤジトの怒りは収まらず、セリムは武装してバヤジトの前へ。周囲が凍りつく中、皇子2人は刀を抜き…。一方スレイマンはエディルネでの静養を終え、女大商人グラツィア・メンデスと共に帝都に帰還する。ミフリマーフは治ってきていた炎症が再び体に出始める。

第73話 皇子たちへの警鐘

皇帝妃ヒュッレムは、皇子バヤジトの書簡が父帝スレイマンに届くことを恐れていた。皮膚の炎症に悩む皇女ミフリマーフは奴隷の医師ペドロにより快方に向かう。宰相メフメトは、ペドロをミフリマーフに献上すると皇帝に申し出るが、夫リュステムの反発はすさまじく…。マニサで皇帝妃ヒュッレムは、セリムとバヤジトを和解させるべく奮闘していた。帝国で商取引を始めた女大商人グラツィア・メンデスだったが、その商船には秘密があった。

第74話 愛の復活

自分は深刻な病気に冒されていると知ったヒュッレムは病気のことは誰にも言うなとスンビュルに警告する。帝都に戻るとヒュッレムの寝台にスレイマンからの手紙が置かれていた。マニサではセリムの息子ムラトの地方赴任が決まり、ヌールバーヌーと娘たちも一緒に行くようセリムに命じられる。キュタフヤにいるバヤジトは出産後に処刑が決まっているデフネにマニサから連れてきた妹を会わせる。一方ミフリマーフはペドロと会えなくなり沈んでいた。

第75話 最悪、最強の敵

キュタフヤの皇子バヤジトのもとに師父ムスタファから皇子セリムが皇帝スレイマンに宛てて書いたという書簡が届き、自分を告発するような内容を見たバヤジトは激怒する。一方、港では出帆の時が迫る医師ペドロが皇女ミフリマーフを待っていた。皇帝スレイマンは帝国の医学の粋を集め、ヒュッレムの病気を治療しようとする。大宰相リュステムは女大商人メンデスと夕食を共にする。セリムはバヤジトから書簡と屈辱的な贈り物を受け取る。

第76話 許し

ヒュッレムの病気の治療に温泉が効くかもしれないと医師たちに勧められ、スレイマンはヒュッレムをブルサに連れていく。ヒュッレムの治療中、スレイマンはムスタファの霊廟を訪れる。ヒュッレムもまた、ブルサの宮殿に住むマヒデブランを訪れていた。死期が近いと悟ったヒュッレムはスレイマンに一緒に帝都に帰り、子供たちを呼び集めてほしいと頼む。一方バヤジトからの果たし状を受け取ったセリムは指定された場所へ武装して向かう。

第77話 魂の伴侶

皇帝妃ヒュッレムが皇帝スレイマンと共にブルサでの湯治から戻る。出迎えた皇女ミフリマーフは立っているのもつらそうなヒュッレムの様子を見て不安を募らせ、スレイマンに本当の病状を問う。スレイマンはセリムとバヤジトに至急帝都に戻るよう知らせを送る。大宰相リュステムと大商人メンデスは男女として急接近していた。一方、キュタフヤでは側女デフネの出産が始まる。ヒュッレムは過去を清算するためスンビュルにあることを頼む。

第78話 祈り

スレイマンは建設中のモスクに出向き首席建築家のシナンに早く完成させるよう命じる。ヒュッレムはスンビュルが捜し出したイブラヒムの墓に来ていた。ミフリマーフは胃の不調が続いていたが、リュステムは自分の気を引くための仮病だと信じ込む。セリムとバヤジトはスレイマンからの突然の呼び出しの理由が分からず兄弟間での争いが原因だろうと警戒心を強める。不安を抱えながらも皇子2人はそれぞれの妃と子供たちを従えて帝都に到着する。

第79話 永遠の愛

皇帝妃ヒュッレムが余命わずかだと知った皇子セリムとバヤジトは動揺を隠せない。だが、側近たちはすでにヒュッレム亡きあとの皇帝の後継者争いのことを気にかけていた。ヒュッレムは大宰相リュステムを呼び、自分の死後、セリムとバヤジトの争いを阻止し、2人を導いてほしいと頼む。スレイマン皇帝は自身の名前を冠した壮麗なモスクが完成し、初めての礼拝を行う。不死鳥の夢を見たヒュッレムは死期を悟り、愛する者たちとの最後の食事会を開く。

第80話 母の遺言

ヒュッレムの死はスレイマンや子供たちだけでなく宮殿中を大きな悲しみに包んだ。盛大な葬儀が執り行われ、ヒュッレムの遺言どおり遺体はスレイマンの名前を冠したモスクに埋葬される。葬儀のあとセリムとバヤジトにヒュッレムが2人に残した贈り物と手紙が渡される。ミフリマーフはヒュッレム亡きあともバヤジトを一緒に支えるようリュステムに念を押す。さらにミフリマーフは塞ぎ込むスレイマンを慰めようとスレイマンの部屋を訪れる。

第81話 明けぬ喪

ヒュッレムを亡くし、深く喪に服す皇帝スレイマンは、トプカプ宮殿で静寂を保ち、金銀など華美な物を使わないよう命令する。皇子セリムとバヤジトの和解を心から望んでいたヒュッレムだったが、母親の切なる願いをよそにセリムは玉座に就くための行動を開始する。一方、予定より早くミフリマーフが産気づき…。皇子妃ヌールバーヌーはよく当たると評判の占い師のもとを訪ね、未来を占ってもらう。占い師は驚くべき予言をするのだった。

第82話 セリムの策略

セリムはバヤジトが送ってきた木箱の中身と書簡をスレイマンに見せ、本当は争いたくないのに弟が無礼な挑発をやめないと主張する。呼び出されたバヤジトは師父ムスタファを証人として呼ぶが…。バヤジトを支援するミフリマーフは何とかして弟を助けようと、公正な判断をするようスレイマンを説得しに行く。セリムたちと共にマニサへ戻った女官長のファーリエは、行方不明になっていた亡きヒュッレムの指輪をヌールバーヌーの部屋で見つける。

第83話 父帝の最後通告

皇子セリムとバヤジトの兄弟の確執に心を痛める皇帝スレイマンはそれぞれに書簡を送る。それは父として、統治者としての最後通告だった。一方、キュタフヤではアマスヤ赴任を命じられたバヤジトがきたるべき兄弟間の戦争に備え、準備を急いでいた。マニサではセリムもまた勢力の拡大を画策する。大宰相リュステムは大商人メンデスを訪ね、情事を暴露したことを責める。ミフリマーフは兄弟間の戦争を止めるため、スンビュルと共に奔走する。

第84話 バヤジト挙兵

スレイマンの命令どおりセリムはコンヤへ、バヤジトはアマスヤへ赴任する。しかしバヤジトは挙兵を諦めたわけではなく打倒セリムに向けて陰で着々と準備を進めていた。ミフリマーフはバヤジトの勝利を信じ支援するがリュステムはバヤジトの状況に危うさを感じていた。やがてバヤジトがアマスヤでも依然兵士を集めている事実がスレイマンの知るところとなり、悩んだスレイマンはイスラムの長老エブッスード師に見解を尋ねる書簡を送る。

第85話 運命の一矢

ついにコンヤ平原で皇子セリムとバヤジトの両軍が対峙し、戦いの火ぶたが切られる。決戦初日、歩兵常備軍に不人気のセリムは軍団の士気を高められず、傭兵ばかりを抱えるバヤジトの軍が優勢に。その後、スレイマン皇帝からセリムの軍を司令官として率いるよう命じられた宰相ソコルルが戦場に到着。バヤジトは加勢の確約を取りつけていた3人の軍政官ら援軍の到着を待つ。一方、帝都ではミフリマーフがスレイマンにバヤジトを許してほしいと懇願する。

第86話 逃亡

ソコルルと合流しバヤジトを追うようにとのスレイマンの勅命がセリムのもとへ通達される。大軍が迫ってくることを知ったバヤジトは末の息子メフメト以外の4人の息子と共にアマスヤを離れる。自ら下した勅命に父として苦しむスレイマンは痛風が再発し倒れてしまう。苦しむスレイマンを見たミフリマーフはまだ希望があると信じ、バヤジト救済に向けて懇願を続ける決心をする。一方バヤジトは追っ手から逃れようとイランの国境付近を移動していた。

第87話 執念の仇(あだ)討ち

皇帝スレイマンの宿敵サファヴィー朝の王タフマースブのもとに身を寄せたバヤジトは自分の身の潔白を訴える手紙をスレイマンに送る。バヤジトはアトマジャを呼び、かつての約束を果たす時が来たと告げる。そんな中、アマスヤに残してきたはずの妃デフネが皇女ミフリマーフの手紙を携えイランにやってくる。手紙には驚くべきことが書かれてあった。一方、弟バヤジトの存在を恐れる皇子セリムは、バヤジトに最後のとどめを刺すべくある行動に出る。

第88話 迷える皇子

イランのタフマースブ王のもとにスレイマンの使者ヒュスレヴがやってくる。スレイマンとセリムのうち、よりいい条件を出したほうにバヤジトを引き渡したいと考えるタフマースブはバヤジトを直ちに渡す要求には応じなかった。一方帝都ではリュステムの急死により大宰相の職位が空席になっていた。序列上はセミズ・アリが後任となるのが順当だと思われたが、セリムとヌールバーヌーは自分たちに忠実なソコルルが任命されることを望んでいた。

第89話 王(シャー)の宴(うたげ)

皇子バヤジトは、イランの宮殿から脱出するため、タフマースブ王の襲撃計画を実行に移そうとする。だが、思いもよらぬ展開が待ち受けていた。皇子妃デフネはアマスヤへ戻り、妹たちと再会するが…。一方、皇帝スレイマンは心と体に不調を抱えていた。スレイマンは、タフマースブ王が取引の合意を破ったことを知り、激怒する。コンヤで皇子セリムは大商人グラツィア・メンデスの力を借り、タフマースブ王に要求された金額の金貨を用意する。

第90話 無情な仕打ち

タフマースブ王によりイランで幽閉されたバヤジトと息子たち4人のもとに勅使ヒュスレヴの命令で来たという軍曹が現れる。ようやくタフマースブ王のもとから解放され帝都に戻れると喜ぶバヤジトたちだったが…。それから5年がたち、断食明けのお祝いにセリムやヌールバーヌーたちが帝都にやって来る。成長したセリムの娘たち3人は、それぞれが高官と結婚していた。スレイマンの痛風は回復の兆しもなく、痛みは悪化する一方だった。

第91話 寂しい祭り

断食明けの祭りの時期を迎えたがトプカプ宮殿は沈んだままだった。小姓頭フェルハトは宮殿の重い空気に耐えかね去ることを考える。スンビュルはフェルハトが“あの夜”から人が変わったと言うのだった。そんな中、セリムがミフリマーフの部屋を訪ねる。バヤジトの一件で憎しみを募らせるミフリマーフはセリムと激しく対立する。一方、セリムの息子ムラトが寵愛する側女と共にトプカプ宮殿へ到着。ヌールバーヌーはミフリマーフが贈った側女だと知り警戒する。

第92話 最後の遠征

かつて亡きバヤジトが赴任していたキュタフヤへの赴任を命じられたセリムは犯した罪に苦しみ飲酒の量が増えていた。変装して市場へ出かけたスレイマンは皇帝をけなす商人の会話に憤慨し商人につかみかかってしまう。その姿を偶然帝都に来ていたマヒデブランが目にする。己の威厳を取り戻そうとスレイマンは自ら遠征に出向き軍を率いると宣言。高齢なうえに病を抱えたスレイマンを心配し、医師やミフリマーフが必死で説得を試みる。

第93話 壮麗なる皇帝スレイマン

自らの信念を貫くため、満身創痍で遠征に出た皇帝スレイマン。マクシミリアン2世に思い知らせ、イスラムの支配を広げるため、まずシゲトヴァルの攻略を試みる。トプカプ宮殿では皇子セリムに対して敗北を認めた皇女ミフリマーフが宮殿を去ることに。そんな中、シゲトヴァルの戦いは厳しい戦局を迎え、スレイマンは、最後の力を振り絞り、帝国軍を鼓舞する。「皇帝陛下 万歳!」の声を一身に受けながら天幕に戻ったスレイマンの体に異変が起こる。