あらすじ
- 1話〜20話
- 21話〜40話
- 41話〜60話
- 61話〜84話
第1話 13歳の皇帝
スレイマン皇帝の崩御から24年後、マニサに赴任していた皇太子メフメトとハンダン妃のもとに生まれたアフメトは5歳の時、父の即位にともない帝都イスタンブールに入る。少年に成長したアフメトは、母后サフィエの部屋で可憐な少女の絵を見つけ、その少女に心引かれるものを感じていた。その後、父帝メフメト3世が崩御、13歳のアフメトが玉座に就く。一方、ギリシャの島にオスマン帝国の船が着く。下船した男は、ある娘を捜していた。
第2話 2人の母后
アフメト皇帝の即位後まもなく割礼式が行われる。祝いの席に後宮を統括する新たな母后としてハンダン妃が登場すると、権勢を維持したい先帝の母后サフィエがけん制し、2人の間に緊張が走る。また、兄弟殺しを免れたムスタファの生母ハリメはアフメトの心変わりを恐れ、ある取引をしようとしていた。一方、故郷からさらわれトプカプ宮殿へ連れてこられたアナスタシアはマフペイケルという新たな名前を与えられ、二度と家に戻れないことを知り落胆する。
第3話 肖像画の娘
ギリシャの娘アナスタシアは家族に会いたい一心でトプカプ宮殿からの脱出を試みるも失敗する。だが偶然にも皇帝アフメトに出会う。一方、早く孫の顔が見たい母后ハンダンはアフメトのために宴を開き夜伽の側女を用意するが、その気のないアフメトは側女を下がらせ、獅子に餌をやりに行ってしまう。そんな中、宮殿を揺るがす大事件が起き…。事件により疑心暗鬼に陥ったアフメトは大きな決断をする。その後、アナスタシアにも夜伽の命令が下る。
第4話 悲しき慣例
ついに皇帝アフメトの夜伽を務めることになったアナスタシア(マフペイケル)。しかし何もないまま朝を迎え、一度は個室を与えられたものの大部屋に戻されてしまう。一方、命を狙われていることを知ったアフメトは弟の処刑についてイスラムの長老に宗教的見解を求める。そのことを知った先帝の妃ハリメは財務長官ムーサの手引きで皇子ムスタファらを連れて逃亡するが、クリミア・ハン国の王子シャーヒン・ギライに見つかり連れ戻されてしまう。
第5話 2つの道
皇帝アフメトは母后ハンダンの忠言により弟ムスタファの処刑に気持ちが傾いていた。だが皇統の存続を第一に願う太皇太后サフィエは処刑に反対する。早く孫が欲しいハンダンはアフメトがご執心だというアナスタシア(マフペイケル)に会い、どんな娘か品定めをする。一方、徴用により帝都に来たアンドロは歩兵常備軍の兵舎で配属を言い渡される。アフメトは皇子ムスタファの処刑をめぐって対立した太皇太后サフィエに、ある宣告をする。
第6話 絶望の闇
皇帝アフメトは弟ムスタファの処刑を決める。また、太皇太后サフィエの娘、皇女ファーリエは、ひそかにクリミア・ハン国の王子メフメトと手紙のやり取りをしていた。そんな折、即位の祝儀金が出ないことに腹を立てた兵士たちが宮殿に押し寄せる。一方、アナスタシア(マフペイケル)は偶然、医師長とレイハンがしていた先帝の死に関する話を聞いてしまう。そして医師長が話し終えるとレイハンは思わぬ行動に出る。
第7話 目撃者の運命
後宮宦官長レイハンの裏の顔を知り海に投げ捨てられたアナスタシア(マフペイケル)はギョルゲの救助により九死に一生を得る。一方、即位の祝儀金を要求して暴動を起こした兵士たちは宮殿の衛兵らと一触即発の状況に陥っていた。太皇太后サフィエは旧宮殿への追放を逃れるための手を画策する。そんな中、先帝の妃ハリメは、ある目的を持って母后ハンダンに接近していた。夜中に起こされたアナスタシアは正義の塔へ行くように言われる。
第8話 陰の支配者
正義の塔へアナスタシア(マフペイケル)を呼び出した皇帝アフメトは、最も大切なものはアナスタシアだと告白し、2人は心を通わせる。一方、エジプト州からは追放されていた宦官ハジュと共に、大宰相アリが戻る。しかし兵たちに支給する即位の祝儀金の原資となる税金は、太皇太后サフィエの差し金によって、他の場所に留め置かれていた。次こそ支給すると約束した俸給の儀の日を迎え、アフメトは兵たちを前に、自ら事情を説明する。
第9話 憎悪の種
祝儀金が支給されないことに不満を募らせた兵士たちが皇帝アフメトに向かって刃を向ける。窮地に立ったアフメトは太皇太后サフィエの手を借り、事なきを得るがサフィエにはある思惑があった。一方、母后ハンダン派の警備隊長デルヴィーシュはサフィエを追放するための新たな一手を打つ。ハンダンとハリメもサフィエに対抗するため手を結ぶのだった。一方、剣術の稽古でアフメトに不敬を働いた新兵イスケンデルがアフメトに呼ばれる。
第10話 母たちの同盟
警備隊長デルヴィーシュの策により配下の者をすべて追放された太皇太后サフィエは、次なる手を打とうとデルヴィーシュに皇女ファーリエとの縁談を持ちかける。一方、サフィエに対抗するため、先帝の妃ハリメと母后ハンダンは互いに反感を抱きつつも急速に接近していた。側女アナスタシアは両親への手紙が送られていなかったことを知り悲しみに打ちひしがれるが、覚悟を決めたかのように手紙を投げ捨てる。皇帝アフメトは、新たに就任したイスラムの長老や宰相たちとの御前会議に臨む。
第11話 運命の糸
反乱者(ジェラーリー)の討伐に向かったものの敵前逃亡した歩兵常備軍の兵士が処刑された。皇帝アフメトは、その脱走兵が残した言葉に陰でうごめく陰謀の気配を感じる。一方、側女アナスタシアはシャイェステとの争いで顔に傷がつき心が沈んでいた。皇女ファーリエは太皇太后サフィエが決めた縁談に反発。帝国の玉座を狙うクリミア・ハン国の兄王子シャーヒンはジェラーリーの首領に接近する。アナスタシアは皇帝の庭で、ある人物に会う。
第12話 愛の報い
皇帝の庭で新兵イスケンデル(アレキサンダー)と再会した側女アナスタシアは、逃走を手伝ってほしいと頼み、イスケンデルも了承する。宮殿から逃げることを決めたアナスタシアは、ギョルゲにある頼み事をする。皇女ファーリエとの密会のさなかに捕らえられたクリミア・ハン国の弟王子メフメトは、ファーリエが皇帝アフメトを怒らせたせいで処刑されることに。しかし執行の直前、宮殿の庭に兄シャーヒンが飛び込んでくる。シャーヒンはオスマン家への憎しみを募らせ市場である物を手に入れる。
第13話 悪のささやき
太皇太后サフィエは皇女ファーリエと海軍提督デルヴィーシュの婚儀の準備に取りかかっていた。側女アナスタシアは皇帝アフメトの部屋に宦官長レイハンの悪行を告発した手紙を置いて宮殿からの逃走を図ろうとする。アフメトは天に召された大宰相アリの後任にデルヴィーシュを考えるが、母后ハンダンが反対する。ファーリエはサフィエに連れられ結婚後の新居の下見に行く。その先でクリミア・ハン国の王子シャーヒンがファーリエにひそかに接近する。
第14話 揺れる心
皇女ファーリエはクリミア・ハン国の王子シャーヒンから渡された液体を混ぜ込んでアーモンド菓子を作り、許しを請うふりをして皇帝アフメトに食べさせる。その晩、側女アナスタシアはついにアフメトと結ばれる。その後、新兵イスケンデルの手を借りて宮殿から逃げ出すものの、皇帝を置いては行けないと引き返す。しかしその頃アフメトは高熱を出して倒れていた。最後にアフメトと一緒にいたアナスタシアは、皇帝に毒を盛った犯人として疑われてしまう。
第15話 王朝存続の危機
天然痘の恐怖がトプカプ宮殿を襲う。皇帝アフメトの命の危機を察して太皇太后サフィエは先帝の妃ハリメを呼び、皇子ムスタファの皇帝擁立に動き出していた。一方、母后ハンダンは苦しげに病床に伏すアフメトを部屋の外から見守るしかない。そんな中、ムスタファの体にも異変が。皆が天然痘の恐怖に怯える中、クリミア・ハン国の王子シャーヒンがサフィエに会いに来る。サフィエはシャーヒンの話に憤慨すると同時に愕然とする。
第16話 反乱の炎
皇帝アフメトに続き皇子ムスタファも天然痘に倒れたことを知った太皇太后サフィエは、クリミア・ハン国の王子メフメト・ギライを皇女ファーリエと結婚させ、皇帝に擁立するとギライ兄弟に告げる。皇帝の死を疑う暴徒が宮殿に押し寄せる中、献身的にアフメトに寄り添う側女アナスタシアに、導師ヒュダーイーが“偉大なる盾”を渡す。海軍提督のデルヴィーシュは宮殿を守るために死を覚悟し、これまで秘密にしてきたあることを、母后ハンダンに告白する。
第17話 人間の姿をした天使
暴徒が宮殿へ押し寄せ、帝国崩壊の危機が迫っていた。側女アナスタシアは意を決して暴徒の前に立ちはだかり、アフメト皇帝は病気だが存命であることを伝える。だが、民衆に暴力行為をあおっていた男がアナスタシアに銃口を向け発砲。アナスタシアは胸を撃たれ…。母后ハンダンはデルヴィーシュの重い告白に苦悩していた。先帝の妃ハリメは皇子ムスタファのため怪しい治療師を宮殿に呼ぶ。太皇太后サフィエは高官たちを招集し、皇帝の後継者について議論する。
第18話 キョセムの誕生
オスマン家の皇統の存続が危ぶまれる中、太皇太后サフィエは幼くして手放した皇子が生きていれば、こんなことにはならなかったと嘆く。皇帝アフメトには側女アナスタシアが呪術師から伝授された治療法が施されるが、一向に回復しない。アナスタシアが民に約束をした俸給の日、サフィエが開いた会議で皇帝の後継者候補にクリミア・ハン国の王子シャーヒン・ギライが選ばれる。そして、民や兵士たちが待つ中庭にシャーヒンが現れ正面に立ったその時…。
第19話 太皇太后のあがき
皇帝アフメトは自分の死を見越して新たな皇帝の擁立を図った太皇太后サフィエに旧宮殿への永久追放を宣告する。サフィエはキョセムを呼び出し宮殿に残れるようアフメトへの取りなしを頼むが…。斧槍持ちナシプはキョセムの父親から預かった指輪を恋人のジェンネトに渡す。デルヴィーシュへの不信感を募らせた母后ハンダンはデルヴィーシュに宮殿を去るよう命じる。アフメトの寝所で目を覚ましたキョセムは何者かが侵入した痕跡を見つけ戦慄を覚える。
第20話 謀りごと
ついにトプカプ宮殿を離れることになった太皇太后サフィエ。しかし皇帝の前で倒れ、回復するまでの間、宮殿に残ることを許される。皇帝アフメトはジェラーリーの討伐に出る兵士の激励に行き、側女のラシャがジェラーリーに捕らえられていることを知ると自ら討伐に向かう。皇帝が不在となった宮殿ではサフィエがある策略を巡らせていた。一方、後宮で一目置かれるようになっていたキョセムに対し、女官長のジェンネトは「心がある者は後宮で生き残れない」と忠告する。
第21話 妃(きさき)になる代償
先帝の妃ハリメと騎士隊の隊長らの密会が公になり、皇帝アフメトの玉座が脅かされることを恐れた母后ハンダンはハリメと騎士隊の隊長らに厳罰を下す。イェディクレの牢で過ごすクリミア・ハン国の王子シャーヒンとメフメトの前にまさかの驚くべき人物が現れる。後宮では皇子ムスタファの命が何者かに狙われ…。犯人と格闘した出納官ドゥドゥまでもが重傷を負う。ジェラーリーのもとへ向かった皇帝アフメトは囚われた側女ラシャを救い出そうとしていた。
第22話 愛しき父
皇帝アフメトが彼の子を身ごもった側女ラシャを連れ帰り、キョセムは複雑な心境に。先帝の妃ハリメもまた、先帝の皇子である息子ムスタファの行く末を案じていた。そんな中、キョセムは太皇太后サフィエに呼び出される。出向くとそこには父親の姿があり、サフィエからある選択を迫られる。一方、皇女ファーリエも、海軍提督デルヴィーシュにある選択を迫っていた。その夜、後宮ではラシャが身ごもった祝いの夜宴が開かれるが、祝いの宴とは裏腹に不穏な空気が漂っていた。
第23話 長い戦争
懐妊を祝い催された宴で倒れた側女ラシャには流産の危険があった。ラシャは皇帝アフメトや母后ハンダンにキョセムのたくらみで流産しかけたのだと言う。一方、キョセムは太皇太后サフィエに拉致された父親の監禁場所を突き止めるため、ある荒業を使う。アフメト皇帝のもとに神聖ローマ帝国皇帝及びオーストリア大公であるルドルフ2世の使節がやってくる。獄中のギライ兄弟は海軍提督デルヴィーシュとの取引で釈放されることを待ち望んでいた。
第24話 秘密の暴露
皇帝アフメトはクリミア・ハン国をけん制するため、釈放したメフメト・ギライを次期ハンだと宣言する。皇女ファーリエは浮かれるが、メフメトの兄シャーヒンを見捨てたことで恨みを買うことに。一方、トプカプ宮殿に残りたい太皇太后サフィエは老かいに立ち回る。父を助けることに失敗したキョセムはサフィエの言いなりになるしかなく、母后ハンダンが皇子ムスタファを殺そうとしたことをアフメトに告白する。アフメトは、衝撃的な決定をすることに。
第25話 愛と権力の階段
太皇太后サフィエの要求に屈した側女キョセム。父親を自分のもとに返すよう迫るが、サフィエはキョセムに過酷すぎる試練を課す。一方、母后ハンダンは皇子の命を狙った罪の代償として旧宮殿へ。キョセムは二度と誰にも屈することのない史上最強の妃になることを心に誓う。皇女ファーリエとデルヴィーシュの婚儀が間近に迫り、クリミア・ハン国のメフメト王子が不穏な動きを見せる。キョセムはサフィエの配下である女官長ジェンネトを姦淫の罪で牢に送るが…。
第26話 嫉妬の輪
太皇太后サフィエはキョセムを追い込もうと皇帝アフメトのもとに新たな側女を送り、キョセムはサフィエの秘密を探るため、どうにか女官長ジェンネトの口を割らせようとしていた。そんな時、先帝の妃ハリメがキョセムにジェンネトに関するある秘密を明かす。一方、海軍提督デルヴィーシュと皇女ファーリエの結婚が正式に決まり、帝都はお祝いムードに。また、戦況報告のため、百戦錬磨の司令官クユジュ・ムラトが前線から帝都に戻ってくる。
第27話 復讐(ふくしゅう)に勝る夢
トプカプ宮殿では皇女ファーリエと海軍提督デルヴィーシュの結婚を祝う宴が開かれ、旧宮殿に送られた母后ハンダンも姿を見せる。デルヴィーシュはハンダンに皇女との結婚によって過去を清算するのだと告げるのだった。一方、キョセムは側女カテリーナが皇帝から2度目の夜伽のお召しを受けたことを知り、危機感を抱く。そんな時、側女マフフィルーゼが産気づき…。女官長ジェンネトはキョセムに太皇太后サフィエの秘密を明かすべきか悩んでいた。
第28話 皇女の逃避行
海軍提督デルヴィーシュとの婚儀の翌朝、皇女ファーリエとクリミア・ハン国の王子メフメト・ギライが姿を消す。2人は共に船で逃げようとしていたが、デルヴィーシュは必死で行方を捜していた。キョセムはこの機会に乗じて太皇太后サフィエを陥れようとしていたが、その一方で皇帝アフメトに気に入られた側女カテリーナと、融通の利かない小姓頭ズルフィカールの存在にイラだちを募らせていた。アフメトは西方司令官のクユジュ・ムラトからある贈り物を受け取る。
第29話 太陽のお妃(きさき)様
帝都新兵軍団新兵のイスケンデルはお守りの衣に書かれてある文字が解読できるという人物に会いに行く。不吉な夢を見た皇帝アフメトは気持ちが晴れず、ジェルヴェティー教団導師ヒュダーイーを訪ねることに。アフメトに随行したキョセムは導師の修道場で、ある老婆から驚くべきことを告げられる。キョセムは太皇太后サフィエと対立する西方司令官クユジュ・ムラトから太陽のようなお妃になるよう忠言を受ける一方で、サフィエを排除する計画を進める。
第30話 大罪の証拠
ついに皇女ファーリエが皇帝アフメトを殺そうとした証拠を手に入れたキョセム。太皇太后サフィエと対峙する一方、気持ちを分かってくれないアフメトに対しては「心が痛む」と言って会うことを拒む。サフィエは手放した息子の衣を持つ青年がいると聞き、息子の生存に一筋の望みを抱いていた。そんな時、ファーリエがアフメトを殺そうとした証拠をキョセムに突きつけられ…。一方、海軍提督デルヴィーシュは、悲しみに暮れる妻ファーリエを複雑な思いで見ていた。
第31話 皇帝の失望
側女キョセムは、皇帝アフメトから皇女ファーリエの罪を明らかにした証拠の手紙の入手方法を問われる。アフメトは導師ヒュダーイーの修道場を訪れ、ファーリエの引き渡しを迫るのだった。一方、旧宮殿への追放を言い渡された太皇太后サフィエは母后ハンダンから皮肉な歓迎を受ける。反乱者の討伐で敵前逃亡をした州軍政官ナスフが皇帝の前に引っ立てられる。サフィエは書家のもとを訪れ、息子の衣を持つ青年が現れるのを待っていた。
第32話 皇子の誕生
皇女ファーリエの一件で皇帝アフメトを失望させてしまったキョセムは無視されたまま出産の日を迎える。無事に皇子が誕生するが…。一方、旧宮殿へ移った太皇太后サフィエは何か月も部屋に閉じこもり、誰とも合わない日々を過ごしていた。内廷では大宰相ララ・メフメトの遠征をめぐり、海軍提督デルヴィーシュと大宰相が口論になる。また、安穏の家で庇護されている皇女ファーリエをクリミア・ハン国の王子メフメト・ギライが訪ねてくる。
第33話 報復の始まり
皇子メフメトという新しい家族を迎え、皇帝アフメトと皇帝妃キョセムの蜜月が戻る。トプカプ宮殿へ戻った母后ハンダンは早速、先帝の妃ハリメに行動を慎むようけん制する。サフィエは安穏の家に身を寄せる皇女ファーリエを訪ね、自分を苦しめた者たちへの復讐の決意を語る。そんな中、皇帝が宮殿を不在に。その後、宮殿を揺るがす大事件が起こり…。アフメトはエディルネでオーストリアとの和平交渉に臨んだクユジュ・ムラト司令官の帰還を迎える。
第34話 太皇太后への贈り物
太皇太后サフィエに買収された者が宮殿内に多数いたことに怒りを募らせたキョセムは、復讐に向けてサフィエと皇女ファーリエに圧力をかけ始める。一方、エディルネに滞在中の皇帝アフメトはクユジュ・ムラト司令官からオーストリアとの和平交渉の報告を受けるが、内容にがく然とする。その後、事件の知らせを受けて宮殿に戻ったアフメトは大宰相殺しの疑いで牢に入れられた海軍提督デルヴィーシュと面会。デルヴィーシュは無実を主張するが…。
第35話 側近の忠誠心
皇帝アフメトは大宰相毒殺のあと姿を消した衛兵ヌマンを捜すよう小姓頭ズルフィカールに命じる。さらには太皇太后サフィエを呼び出し、不在時に皇子メフメトが揺りかごから連れ去られた件について追及する。一方、宦官ギュルブズから先帝の妃ハリメの女官がサフィエのもとを頻繁に訪れていることを知った皇帝妃キョセムは、ハリメにクギを刺す。そんな中、衛兵ヌマンが身柄を拘束される。ヌマンはアフメトの前でまさかの証言をする。
第36話 2つの聖断
キョセムはクリミア・ハン国の王子メフメト・ギライや町の少女メレキーの協力を得て、皇女ファーリエを安穏の家から出す計画を実行。そこに情報を得た太皇太后サフィエが駆けつける。キョセムはサフィエと先帝の妃ハリメが協力体制にあることに気づき、サフィエの動きを封じるために隠し資産を見つけようと小姓頭ズルフィカールに協力を仰ぐ。一方、皇帝アフメトは大宰相毒殺の疑いをかけられていたデルヴィーシュに対し、心で決断したと語り…。
第37話 遠征の前夜
嵐の夜、胸騒ぎを覚えた太皇太后サフィエは眠れない一夜を過ごす。翌日、旧宮殿へファーリエの棺が運ばれ、サフィエは娘の変わり果てた姿に泣き崩れるのだった。その後、皇帝アフメトに会うため、トプカプ宮殿を訪れたサフィエは最後の警告としてキョセムを脅す。一方、キョセムはサフィエを追い込むための次なる一手に着手していた。そんな中、アフメトが初めての遠征に発つ日が近づく。アフメトの不在時を好機と見たサフィエは不穏な動きを見せる。
第38話 反逆の矢
熱を出した弟のムスタファを宮殿に残し、皇帝アフメトは遠征に出立する。道中、亡きスレイマン皇帝が作らせた水道施設に立ち寄り、自分も後世に残る建築物を残したいと語る。しかし、その様子を遠くからサフィエ配下の刺客が見つめていた。一方、宮殿ではついにキョセムが太皇太后サフィエの隠し資産の在りかを突き止めていた。没収するため小姓頭ズルフィカールとともに出かけるが、その間にサフィエの命を受けた兵士らが後宮に押し入り…。
第39話 玉座の死闘
トプカプ宮殿に戻った皇帝妃キョセムと小姓頭ズルフィカールは、宮殿のただならぬ事態を察知し、何とか母后ハンダンとの合流を試みる。宮殿を掌握した太皇太后サフィエは皇子ムスタファを玉座に就かせるべく動いていた。サフィエのもくろみに気づいたキョセムは皇子ムスタファを宮殿から連れ出そうとするが…。一方、遠征先では深手を負ったデルヴィーシュが懸命の手当てを受けていた。アフメトは司令官ムラトの進言により帝都への帰還を決める。
第40話 幼帝の即位式
トプカプ宮殿では太皇太后サフィエの指示でキョセムの首に縄がかけられる。皇子ムスタファの即位式が始まるが、すんでのところで皇帝アフメトが戻りサフィエの企てを阻止。キョセムの処刑を聞かされ泣き崩れたアフメトだったが、気を持ち直し、皇子たちがかくまわれている町の娘メレキーの家へ向かう。その後、宮殿に戻ったアフメトは周囲を信頼できる者たちで固めるために人事の一新を図るが、経験豊かな老司令官ムラトはそんなアフメトにあることを進言する。
第41話 未来の先例
皇子ムスタファを玉座に就けるという夢が破れた先帝の妃ハリメたちは、皇帝アフメトから下る処罰に戦々恐々としていた。一方、母后ハンダンはアフメトをかばって負傷した海軍提督デルヴィーシュを見舞う。太皇太后サフィエと腹心の宦官ビュルビュルは投獄されてもなお、己の道に悔いはないと言い切る。アフメトは、兄弟殺しの慣習にあらがい、弟ムスタファを生かしたがゆえに、たびたび玉座を脅かす騒動が起きるのだと考え始める。
第42話 1羽の鳥
皇子ムスタファの部屋に処刑人が送られるが、1羽の鳥に導かれるかのように部屋から出ていたムスタファは処刑を免れる。皇帝アフメトは弟を殺さないことに決め、新たな勅命を下す。同じ頃、太皇太后サフィエは宮殿の地下牢から出され小舟へ。その舟はボスポラス海峡へ向かっていた。やがて、地下牢に残されていた太皇太后付き宦官ビュルビュルのもとにも迎えが来る。ビュルビュルが突き出されたのは処刑人の前ではなく、アフメトとキョセムの前だった。
第43話 国璽(こくじ)の行方
先帝の妃ハリメは、久しぶりに外に出られて喜ぶ皇子ムスタファの手を引きながら複雑な心境でいた。ムスタファをある部屋に連れていったハリメは、今日から1人で過ごすのだと伝え、泣き叫ぶムスタファを置いて去る。母后ハンダンは後宮で力をつけてきたキョセムを目障りだと思い始めていた。キョセムもハンダンに対抗するため、後宮出納官に自分の息がかかった者を任命させようとする。そんな中、皇帝アフメトは久しく空位だった大宰相を任命する。
第44話 交差する道
母后ハンダンはデルヴィーシュを呼び出して大宰相就任を祝い、自分への慕情を決して他人に気づかれてはならないと念を押す。ところがその様子をある者がのぞき見していた。一方、キョセムはクリミア・ハン国の王子メフメト・ギライから先帝を毒殺したのは大宰相デルヴィーシュだと聞かされ、デルヴィーシュに疑問を抱き始めるが、そんな折、太皇太后サフィエに忠実なナスフに命を狙われワナにはめられてしまう。暴漢に囲まれ、絶体絶命の危機に陥るが…。
第45話 2つの顔を持つ忠臣
市中で命を狙われた皇帝妃キョセムは宦官ビュルビュルに太皇太后サフィエの陰の協力者の名前を言うように迫る。後宮宦官長ハジュは真珠離宮に落ちていた耳飾りが女官エイジャンの物だと確信を持つ。手紙で脅された母后ハンダンは、脅迫者の正体がキョセムだと思い込み、呼び出して釘を刺す。キョセムは大宰相デルヴィーシュの裏の顔を知るため、前後宮宦官長レイハンに会いに行く。幽閉されたサフィエの「乙女の塔」の護衛長に、ある人物が任命される。
第46話 帰ってきた皇女
先帝妃ハリメが皇子ムスタファと面会していたことを知った母后ハンダンは、ハリメとキョセムの結託を疑い激怒。ハリメはハンダンと大宰相デルヴィーシュの秘密の関係をキョセムに明かし、見返りに皇子と会い続けられるようにしてほしいと頼む。キョセムは宦官長ハジュに2人の関係について明かすと、沈黙する代わりに協力を求め、先帝を殺したのがデルヴィーシュであることを告げる。一方、皇帝アフメトの招きである人物がやって来て、後宮に新たな風が吹き始める。
第47話 緋色(ひいろ)の長衣(カフタン)
ヒュマーシャー皇女が乙女の塔に幽閉された太皇太后サフィエを訪ねる。皇女は母親であるサフィエに過去の出来事からわだかまりを抱えていた。トプカプ宮殿では、宦官ビュルビュルのもとにセラハディンが訪ねてくる。皇帝妃キョセムから先帝殺しの話を聞きながらも半信半疑の宦官長ハジュは母后ハンダンに対してひと芝居を打つ。そんな中、キョセムの身に一大事が起こり…。追い詰められた大宰相デルヴィーシュは残された道は1つだとハンダンに告げる。
第48話 口封じ
大宰相デルヴィーシュの秘密を知る者が次々と襲われる。キョセムも胸のむかつきを訴え、毒を盛られたのではないかと疑われる。その頃、デルヴィーシュは皇帝アフメトをお忍びで町へ連れ出していたが、ひょんなことから皇帝に隠していた事実を知られてしまう。一方、宦官ビュルビュルは歩兵常備軍の兵士イスケンデルが太皇太后サフィエの皇子だったことを知る。その夜、キョセムは、母后ハンダンの前で「デルヴィーシュには秘密がある」とアフメトに告げ、ついにハンダンは…。
第49話 父子のような絆
皇帝アフメトは就寝中の大宰相デルヴィーシュのノドもとに刃を向ける。だが幼い日の思い出が頭をよぎり、刺すことをためらうのだった。思い詰めた様子のアフメトを心配した皇帝妃キョセムは吉報を告げ、元気づけようとする。宦官ビュルビュルは太皇太后サフィエへの手紙を皇女ヒュマーシャーに託す。手紙には行方不明の皇子の正体が書かれてあった。母后ハンダンはアフメトと狩りに出たデルヴィーシュが無事に戻ったことに安堵するが…。
第50話 最後の御前(ごぜん)会議
皇帝アフメトは処刑に抵抗する大宰相デルヴィーシュに自ら手を下し、後任の大宰相を指名。デルヴィーシュの遺体を見送った母后ハンダンは部屋に閉じこもる。キョセムは先帝の妃ハリメに皇子ムスタファとの面会を条件にハンダンとデルヴィーシュの関係を内密にすることを合意させるが、その話を盗み聞きしていた者がいた。一方、宦官ビュルビュルが太皇太后サフィエに宛てた手紙を読んだ皇女ヒュマーシャーは、手紙の内容が真実なのかビュルビュルに問いただす。
第51話 罪深き慕情
乙女の塔で太皇太后サフィエから脱獄の手引きを迫られた皇女ヒュマーシャーはサフィエの忠臣ナスフに勝手なマネをしないようクギを刺す。母后ハンダンとデルヴィーシュに男女の情があったことを聞いた皇帝アフメトは、皇帝妃キョセムに詰め寄るも、ハンダンに直接、問いただそうとする。宦官長ハジュはデルヴィーシュが処刑されてから部屋に籠もるハンダンを心配していた。一方、大宰相に任命されたクユジュ・ムラトは敵対していたサフィエを訪ねる。
第52話 癒えない心の傷
皇帝アフメトは皇女ヒュマーシャーの勧めもあり、母ハンダンや忠臣デルヴィーシュの思い出が残るトプカプ宮殿を離れ、しばらくの間エディルネ宮殿で過ごすことに。しかし、エディルネでも放心の態が続いていた。キョセムは後を追おうとするが、母后の代わりに後宮を治めることとなったヒュマーシャーが外出を禁じる。キョセムは命令を無視してハジュと共にエディルネへ向かうが、急ぐあまり危険な近道を行き、途中で暴漢に襲われてしまう。
第53話 仕組まれた厄災
後宮宦官長ハジュがトプカプ宮殿へ戻り、後宮の者たちに皇帝妃キョセムが拉致されたことを知らせる。皇帝アフメトは太皇太后サフィエのもとを訪れ、キョセムの行方を問い詰める。サフィエは事件への関与を否定するも、キョセム捜索に協力すると言い出す。一方、先帝の妃ハリメが皇子ムスタファが病気になったことを知る。ムスタファは食事を拒否してやつれていた。そんな中、ヒュマーシャー皇女の夫ハサンがエジプトから帝都へやってくる。
第54話 キョセムの逆襲
皇女ヒュマーシャーの計画が成功し、旧宮殿へ戻った太皇太后サフィエ。吉報も届き喜びを膨らませるが、届いたのは吉報だけではなかった。反乱者討伐の遠征が近づいたある日、皇帝アフメトは宰相らにモスク造営の計画を語る。しかし大宰相ムラトに、モスクは戦いで勝利してから作るものだと言われてしまう。一方、ヒュマーシャーは、エジプト州での不正をバラされたくなければ一緒に帰るよう、夫ハサンに迫られていた。夫が持つ不正の証拠を必死で捜すものの…。
第55話 母后の部屋の主
後宮から皇女ヒュマーシャーをも排除することに成功した皇帝妃キョセムは、唯一の寵妃として権勢を強める。先帝の妃ハリメはそんなキョセムにすり寄り離宮に幽閉されている皇子ムスタファとの面会を求めるのだった。ムスタファは処刑人が来ることを恐れ、怯えて暮らす日々を送っていた。やがて月日は流れ、皇帝アフメトとキョセムは、たくさんの子をもうけ、大家族になっていた。そんな中、太皇太后サフィエの新たな計略が動き出す。
第56話 皇帝への献上品
断食明けの祭りに際し、皇帝アフメトが宴を催す。長年幽閉されていた弟皇子ムスタファも出席するが、外の世界に戸惑っていた。宴のあと、皇子オスマンは太皇太后サフィエに招かれ旧宮殿へ。それを知ったキョセムも旧宮殿へ乗り込む。アフメトは年長の皇子2人を初めての狩りに連れ出すが、その一方で、あることに悩まされていた。皇女ヒュマーシャーはサフィエの指示で、狩りに出たアフメトに贈るため、ある献上品の準備を始める。
第57話 鳥籠(カフェス)の皇子
狩りに出た皇帝アフメトの天幕に皇女ヒュマーシャーから側女ヤーセミンが献上される。トプカプ宮殿でその報告を受けた皇帝妃キョセムは計略の臭いを嗅ぎ取り、側女の素性について調べさせる。一方、太皇太后サフィエの真の狙いが明らかに。アフメトは皇子ムスタファを後宮に戻す決断をする。先帝の妃ハリメらはムスタファの解放を喜ぶが、長年の幽閉生活はムスタファの心をむしばんでいた。そしてムスタファの病んだ心が大事件を引き起こす。
第58話 血脈の秘密
ある日、皇女ヒュマーシャーと小姓頭イスケンデルの仲を疑ったズルフィカールが逆上。ヒュマーシャーは誤解を解かなければならなくなる。皇帝アフメトは胃痛が悪化していたが、側女ヤーセミンを再び寝所に呼ぶ。一方、皇帝妃キョセムにはクリミア・ハン国の王子メフメト・ギライから、アフメトを玉座から降ろそうとする動きがあることが告げられていた。皇子オスマンは町へ散策に出た折、奴隷市場で虐待されていた娘を助け、宮殿へ連れて帰ることに。
第59話 不穏な密告
玉座を巡る不穏なウワサを聞いた皇帝妃キョセムはズルフィカールにその真偽を調べさせることに。皇帝アフメトに薬を処方した医師はアフメトの胃痛が一向に治まらないことに首をかしげていた。皇女ディルルバは母ハリメのお膳立てで未来の婿候補の大宰相のハリルにしぶしぶ会う。イスケンデルが皇子だと知ったズルフィカールは思い切った行動に出る。キョセムはアフメトの不調を知り、側女ヤーセミンが皇帝への刺客ではないかと疑う。
第60話 軋轢(あつれき)
皇女ディルルバは宰相ダヴドに思いを告げられ、自分にとって誰と結婚することが得策か考え始める。皇帝アフメトは皇子たちと弟ムスタファを引き合わせるが、見えない相手と会話するムスタファに皇子たちは戸惑う。キョセムはメフメトの恋心を知らず、側女メレキシマをオスマンのもとへ送る。一方、側女ヤーセミンが刺客だったことを知ったヒュマーシャーは母サフィエに激怒。ヤーセミンの告げ口により、キョセムの厳しい尋問が皇帝アフメトの知るところとなり…。
第61話 明かされる素性
皇帝妃キョセムは、後宮出納官ジェンネトが皇帝アフメトに側女ヤーセミンへの尋問について話したことに腹を立てていた。ジェンネトはキョセムに出納官の職の解任を願い出る。キョセムは側女ヤーセミンが皇帝に毒を盛った反逆者だと確信し、ハジュにある命令を下す。アフメトのモスクが完成し、初めての礼拝が行われる。近侍頭ズルフィカールは、アフメトの玉座を守るため、サフィエの息子イスケンデルをへき地へ赴任させることを考える。
第62話 イスケンデルの苦悩
皇子オスマンとメフメトの仲は兵舎での一件を経てさらに悪化していた。皇女ディルルバはある目的のため、誰にも告げずに宮殿の外へ出かける。太皇太后サフィエは息子イスケンデルを帝都から遠ざけようとする近侍頭ズルフィカールを敵視。排除しようと考える。ズルフィカールは玉座を狙う者がいるという情報を探るため、クリミア・ハン国の王子メフメト・ギライに教えられた男に会いに行く。サフィエを亡き者にするようキョセムに命じられたイスケンデルは苦悩の末…。
第63話 母の思い
皇帝妃キョセムは日々、険悪になっていく皇子オスマンとメフメトの仲を心配し、皇帝アフメトに兄弟殺しの慣例の廃止を進言する。一方、オスマンは自分が地方へ軍政官として赴任して帝都を離れたほうがいいのではないかと考えていた。旧宮殿で太皇太后サフィエを殺害するため寝所に忍び込んだ小姓頭イスケンデルは、実行できず、その場を立ち去ろうとする。だが、その時、サフィエに呼び止められ…。皇帝アフメトの胃痛の症状は深刻さを増していた。
第64話 神への祈り
小姓頭イスケンデルが太皇太后サフィエの息子であることを知ったキョセム。イスケンデルを帝都から遠ざけ守ろうとするが、彼はすでに真実を知っており、それを悟ったキョセムは皇帝アフメトの玉座を守るための行動に出る。イスケンデルのもとには衛兵が送られるが、その裏でサフィエや皇女ヒュマーシャーはイスケンデルを逃がそうとしていた。一方、アフメトの病状はさらに悪化。キョセムには「病を克服する」と語ったアフメトだったが…。
第65話 玉座を脅かす者
小姓頭イスケンデルが皇帝アフメトのもとへ連行される。イスケンデルは、自分の出自は最近まで知らなかったと弁明するのだった。皇女ヒュマーシャーと太皇太后サフィエはイスケンデルの命を救うためトプカプ宮殿へと馬車を走らせる。サフィエはアフメトに会うまで動かないと宮殿の門の前に座り込むが、キョセムは、今後イスケンデルがアフメトや皇子たちの脅威になることを恐れていた。一方、皇女ディルルバの結婚について御前会議で正式に発表される。
第66話 ただ1つの裏切り
皇女ディルルバは宰相ダヴドと正式に夫婦となる。皇子ムスタファは薬を嫌がり、母ハリメが飲ませてもこっそり吐き出すように。皇子オスマンは県への赴任を希望していたが、却下されたことでキョセムに不満を抱き始める。皇帝アフメトは死期が近いことを近侍頭ズルフィカールに告白し、あとのことを頼む。そして幽閉していた皇子イスケンデルを許し、モラ県へ軍政官として赴任するよう命じる。モラ県まではズルフィカールが同行することになるが…。
第67話 託された夢
皇帝妃キョセムは皇帝アフメトに皇子オスマンが県への赴任を望んでおり、そのことでまた皇子メフメトと争いになったことを話す。兄弟の不和に心を痛めたアフメトは2人に兄弟の大切さを説き、それぞれに馬を贈るのだった。太皇太后サフィエは我が子イスケンデルの墓を訪れ、我が子の命を奪ったアフメトを呪う。アフメトはキョセムに秘密の贈り物を用意する。キョセムはその贈り物を心から喜ぶが、幸せもつかの間、大きな不幸に見舞われる。
第68話 皇位の継承
皇帝アフメトが息を引き取り、キョセムは息子たちを守るために皇位継承の原則を変えようとする。息子たちの身の安全とキョセムのトプカプ宮殿残留を条件に、先帝の妃ハリメに皇子ムスタファを玉座に就けることを提案する。ハリメは条件をのもうとするが、ハリメの娘ディルルバは異なる意見を口にする。一方、アフメトの長子オスマンは、自分が玉座に就けないことを不満に思いキョセムに反発。後宮出納官ジェンネトの助言で宮殿を離れることにするが…。
第69話 心を病んだ皇帝
亡き皇帝アフメトの弟ムスタファの即位の儀が始まる。先帝の息子ではなく兄弟が即位したのは、帝国史上初めてのことであった。正義の塔から母ハリメと姉ディルルバが見守る中、玉座に座っていたムスタファがおもむろに奇行を始める。一方、キョセムの条件をのんで母后の座を手に入れたハリメだったが、取引を無効とし、キョセムや子供たちに過酷な命令を下す。宮殿の混乱にキョセムを支持する歩兵常備軍も門に押し寄せ、新たな治世は波乱の幕開けとなる。
第70話 母后の専断
皇子オスマンとメフメトは、幽閉された部屋の中でも口論が絶えない。オスマンは幽閉に我慢ならずに逃げ出すも、捕らえられて宮殿の牢に入れられてしまう。キョセムは大宰相やイスラムの長老らとオスマンを玉座に就けるための道筋を協議するが、その帰り際、何者かに命を狙われる。皇子らの身を案じて後宮へ赴くが、母后ハリメらの策略による、ある人物の証言で窮地に陥ってしまう。一方、近侍頭ズルフィカールは、ひそかに意外な人物と面会していた。
第71話 裏切りか 忠誠か
太皇太后サフィエが乗る馬車が突然、停止する。馬車の行く手を阻んだのは思いがけない人物だった。一方、トプカプ宮殿には先帝の妃キョセムの乙女の塔への収監を阻止すべく歩兵常備軍の兵士らが集結。イスラムの長老エサトと大宰相ハリルは母后ハリメにキョセムの解放と皇子オスマンを牢から出すことを掛け合う。金曜礼拝に向かう皇帝ムスタファは幻覚を見て怯えて逃げ出し、街中へ迷い込む。キョセムはオスマンを玉座に就けるべく行動を開始する。
第72話 俸給(ウルフェ)の儀の前夜
皇子イスケンデルは自ら玉座を奪うべく、クリミア・ハン国の王子メフメト・ギライと手を結ぶことに。母后ハリメは皇帝ムスタファが廃位させられることを危惧し、皇子たちを処刑するため太皇太后サフィエに協力を仰ぐ。サフィエはこの機会を息子イスケンデルのために利用できると考え、ハリメに協力することに。一方、キョセムたちもハリメの暴挙を防ごうと、ハリメの娘ディルルバを人質に取っていた。ところが、ハリメは残酷な決断を下し…。
第73話 母の心 子知らず
キョセムの皇子たちに処刑人が送られ、今にもくびり殺されようとしていた。旧宮殿から駆けつけたキョセムは、皇子たちはどこにいるのかと母后ハリメに詰め寄る。だが、ハリメは手遅れだと非情に言い放つのだった。一方、実の母親サフィエとの再会を果たした皇子イスケンデルは、過去と決別し、自分の権利である聖なる玉座に就くことを心に決める。そんな中、新たな脅威が…。帝国は黒海北岸の武装した自由民コサックの襲撃に悩まされていた。
第74話 若き皇帝の矜持(きょうじ)
皇帝オスマンの治世になり3年。旧宮殿で暮らすキョセムは慈善活動に精を出していたが、ある夜、雑踏の中に思いがけない人物の姿を見る。同じ旧宮殿暮らしの妃たち、サフィエやハリメは相変わらず玉座を狙い機会をうかがっていた。一方、オスマンには皇子が誕生。信頼する師父の名「オメル」が授けられる。オスマンは皇帝の権威を高めるべくポーランドへの親征を宣言するが、これを懸念したキョセムや高官たちが特別会議を開催。しかし、これがオスマンの耳に入り…。
第75話 キョセムの涙
キョセムが招集した特別会議への参加者はそれぞれが罰せられ、キョセム陣営の力がそがれていた。師父オメルは皇帝オスマンのそばでキョセムへの不信感をあおり、オスマンは父帝アフメトの死後に変わった皇位継承の順をもとに戻し、いにしえの法に従って帝国を統治すると宣告。そんな中、皇女アイシェのもとにオスマンが皇子メフメトに対して処刑命令を出したというキョセムからの警告の手紙が届く。冷静さを欠いたメフメトの行動が大きな騒動へと発展する。
第76話 呪われた冬
ルメリ軍法官から宗教的見解を得た皇帝オスマンは、ついに心を決める。キョセムはメフメトの処刑を止めようと、必死の思いで宮殿へ向かうが…。その冬、帝都には雪が降り続け、ボスポラス海峡が凍りつくほどの厳冬に。オスマンに神が与えた罰だとウワサする者もいた。後日、霊廟で鉢合わせたオスマンに、キョセムは厳しい言葉を投げつける。一方その頃、サフィエは皇子イスケンデルと密会していた。するとそこに、ヒュマーシャーに連れられ意外な人物が現れる。
第77話 長老の娘
民は飢えと寒さで困窮を極めていた。キョセムは救貧院で炊き出しを行い、民を支援する。皇帝オスマンもお忍びで視察を行い、民の悲惨な状況を目の当たりにしていた。そんな中、エジプト州へ追放されたはずの宦官ハジュがキョセムの所へ帰ってくる。一方、先帝の母ハリメは、キョセムから皇子イスケンデルの生存を聞き、宰相ダヴドに真相を調べさせる。メフメト皇子の処刑でイスラム法学者らの反感を買ったオスマンは支持者を増やすべく奥の手を使う。
第78話 皇帝オスマンの親征
皇女ディルルバとその夫ダヴドに拉致されたサフィエをズルフィカールが救う。サフィエの信用を得たズルフィカールはイスケンデルを逃がす役を任され、故ムラト皇帝の刀の入った箱を持たせ、イスケンデルを船に乗せる。イスケンデルはズルフィカールに感謝し旅立つが…。一方、遠征先では戦果が上がらず皇帝オスマンはイラだっていた。指揮官たちは歩兵常備軍兵士の怠慢を理由に挙げるが、兵士たちもまた、指揮官の態度や仲間を失う一方の状況に不満を募らせていた。
第79話 後宮に帰ったサフィエ妃
久々にトプカプ宮殿を訪れた皇帝の曽祖母サフィエは母后の部屋でキョセムにこれまでの人生を語る。だが、徐々にサフィエの息が苦しくなっていき…。ポーランド遠征の野営地ではポーランド王が和平を望んでいることを知った高官らが皇帝オスマンに和平を受け入れることを勧めていた。その後、和平を結び帝都に凱旋したオスマンはキョセムとハリメの追放を決め、さらにはメッカ巡礼に赴くと言い出す。高官たちは戸惑うが、そんな中、中庭で大変な事件が起こる。
第80話 歩兵常備軍(イェニチェリ)の反乱
新たな軍の創設を決めた皇帝オスマンは、準備を進めてユスキュダルに渡る。キョセムは師父ら取り巻きがオスマンを誤った道へ導いているとして、ある決断を下す。一方、宰相ダヴドは65番部隊隊長のマンスールにオスマンの計画を暴露。反抗心に火をつけ反乱を起こさせる。街へ出た兵士たちは暴徒化。事態を知ったオスマンは宮殿へ戻ることに。その頃、宮殿は危険だと判断した女官長ジェンネトが皇子たちを避難させる。皇子たちは宦官ビュルビュルと旧宮殿へ向かうが…。
第81話 玉座の危機
歩兵常備軍と民が起こした反乱の鎮静化を図るため、イスラムの長老が率いるイスラム法学者らの代表団が皇帝オスマンに直訴。宮殿の外では、ムラトら4人の皇子が略奪と破壊で荒れた帝都をさまよっていた。そこへ皇女ディルルバの命令を受けた兵士キリンディルが現れ…。オスマンへの怒りを爆発させた反乱者たちは“ムスタファ皇帝”と口々に叫びながら宮殿の中へ。身の危険を感じて宮殿からの脱出を試みるオスマンたちに追っ手が迫る。
第82話 オスマンの後悔
宰相ダヴドはムスタファの復位にイスラムの長老らの支持を得ようとするが失敗。復位させざるを得ない状況に持ち込もうと、オスマンも皇子たちも亡き者にしてしまおうと画策する。一方、皇帝オスマンは歩兵常備軍の長官公邸に避難。事態の収拾にキョセムも介入し、将校たちとの交渉のため近侍頭ズルフィカールと長官アリを兵舎へ送る。しかし65番部隊隊長のマンスールに挑発され、長官は思わずオスマンが長官公邸に避難していることを口にしてしまう。
第83話 裸の皇帝
歩兵常備軍の長官公邸から引き出された皇帝オスマンは民や軍団から侮辱のかぎりを受け、兵舎まで市中を引き回される。キョセムはオスマンの哀れな姿を見てハリメたちの非道な仕打ちに憤るが、4人の幼い皇子たちの命と引き換えに、ムスタファの復位を認めることに。だが、幽閉で精神を病んだムスタファは歩兵常備軍の前で奇妙な行動を取る。キョセムは皇子たちが閉じ込められている小屋へ向かうが、火事で焼けた小屋を見てがく然とする。
第84話 血にまみれた玉座
キョセムが皇子たちの待つ隊商宿へ向かっている頃、皇女ヒュマーシャーは先帝オスマンの皇子を守ろうと、妃アーキレと皇子を連れて港へ向かっていた。大宰相となったダヴドは皇帝ムスタファの命令だとオスマンをイェディクレの牢に連行。皇子ムラトはオスマンが荷馬車に載せられ民や軍団員から罵声を浴びせられる様子を目撃してがく然とする。皇子たちと無事再会を果たしたキョセムはムラトからオスマンのことを聞き、急いでイェディクレの牢へ向かうが…。