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エカテリーナ
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ロシア1(ロシアの国営放送)にて放送された際、通常平均視聴率の2倍となる驚異の数字を獲得する大ヒット作品となった本作。その人気はロシア国内だけにとどまらず、アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、中国など世界104カ国 で放送されている。また、TEFIオルフェウス賞*3やロシアのアカデミー賞といわれるゴールデン・イーグル賞を受賞し、ハリウッド・レポーター誌が「エカテリーナ3」をその年のベスト作品20のひとつとして紹介するなど、各方面から高い評価を獲得している作品だ。
*3・・・ロシアのテレビ業界で授けられる権威ある賞。
ドイツ生まれのエカテリーナは、大公妃候補になると、ロシアの言語、歴史、宗教について学び、国を愛そうとした。その結果、女帝エリザヴェータに認められ、16歳でフョードロヴィチと結婚するも、夫自身の問題のため、長く懐妊しなかった。世継ぎを産むべく、愛人を作り、男児を出産した彼女であるが、以降、愛人が途絶えることなく、後世「その数は300人」とも言われた。数々の愛人との関係や夫謀殺の噂により“悪女”とも言われる彼女だが、愛人には一切政治に関与させず、皇后に上り詰めており、自分の信念に忠実に生き抜いた知謀の女性である。
主役のエカテリーナを演じるのは、女優マリーナ・アレクサンドロワ。司馬遼太郎原作のNHKドラマ『坂の上の雲』(2009年-2011年)にも出演している。当時、登場シーンが少ないにも関わらず、その美貌が日本でも話題を集めた。
『エカテリーナ』の制作にあたり、プロデューサーは長い間、エカテリーナ役にふさわしい女優を探し求め、200回以上におよぶテストスクリーンの末、彼女を抜擢した。結果、ロシア政府が、芸術分野で功績を挙げた人物に顕彰する"功労芸術家*1"の称号を受賞。さらには、ゴールデンイーグル賞*2「ベストテレビドラマ女優」(ロシア)にノミネートされるなど、数々の賞を受賞し、ロシアの国民的女優と呼ばれるようになった。
*1・・・ソヴィエト連邦時代から存在する権威ある称号で、芸術分野で功績を挙げた人物を顕彰する制度。
*2・・・2002年よりある映画賞であり、アカデミー会員によって受賞者が決められる。
エカテリーナ2世は、エルミタージュ美術館の礎となる絵画のコレクション、宝飾品の収集にも力を尽くしたことでも知られている。本作にも、ロシアで有名な肖像画家フョードル・ロコトフが、エカテリーナと愛人のグリゴリー・オルロフとの息子の肖像画を描くシーンが登場する。
撮影はモスクワやサンクトペテルブルクで行われ、美しい自然や宮殿内の豪華さの再現に圧倒される。美術品やインテリアには、18世紀の貴重なアンティーク品を使用するなど演出は細部までこだわっている。そして豪華絢爛な宮廷ドレスや軍服などを着こなすエカテリーナのファッションにも注目してほしい。イタリアとスペインのアトリエから取り寄せた最高級の生地を使い、当時の縫製技術を用いて約200着に及ぶドレスが復元されている。
日本初放送となるSeason3では、前作の終盤では明かされなかったエカテリーナとロシア帝国をゆるがす大事件が描かれる。その1つが、「プガチョフの乱」とよばれる大規模な農民反乱だ。反乱を主導するプガチョフは、自身が死亡したとされる前皇帝ピョートル3世だと僭称し、反乱分子をまとめて勢力を拡大していた。そんな中、ロシアと敵対するフランスは、裏でプガチョフ一派を利用しようと動き出す。さらに、前女帝エリザヴェータの皇女と称するタラカーノヴァという女性が現れる。ドイツ人でありながらクーデターでロシア皇帝の座についたエカテリーナにとって、正当な皇位継承者を名乗り、支持を集める彼女は大きな脅威となっていく。エカテリーナは、即位以来最大の試練を乗り越えることができるのか?